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□上手なキスの仕方を教えて
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「なっなあ、吹雪・・・」


僕が自分のボールを磨いていると後ろから自分の名前を呼ばれた
振り向かなくてもだれかなんてわかる、綺麗に透き通るアルトボイス
僕の大好きなあの子の声なんだから


「どうしたの?風丸君」


振り向いてみてみれば、そこには顔を少し赤らめながら下を俯いている風丸君が居た

どうしたのかな?

僕は自分のボールを横に置いて立っている風丸君の手を引いて自分の隣に座らせた
風丸君も少し躊躇しているようだったけどすんなりと僕の隣に座った
さっきより近くにある綺麗で整った顔を覗き込む

見間違いじゃなかった、やっぱり顔が赤い
僕は再び風丸君に訊ねる
言いにくそうに口を濁らせる

なかなか言い出さない風丸君にじれったくなって僕は風丸君の左の前髪を上げて隠れていた頬に唇を落とす
予想通り今まで以上に顔を真っ赤にして僕から少し距離を置いてしまった

でも、なんかいつもと反応が違う
いつもだったら少し離れた後まるでどこかの犬のようにまあ、そこも可愛いんだけど喰ってかかってくる
なのに今日はどうしたんだろう
黙ったままだ


「あっあのさ・・・吹雪・・・その・・・」

「?」


僕はもう一度風丸君に詰め寄る


「えっと・・・〜っ上手なキスの仕方ってどうやるんだ!?」

「えっ?キス?」


そう聞き返すと、風丸君は慌てて視線をそらす


「・・・だって、いつも吹雪ばっかで・・・オレ下手だし、その・・・押されてばっかりっていうか・・・くやしいから」

「だって、風丸君自分からしてこないから」

「恥ずかしいから出来るわけないだろ///」


まあ、僕じゃよくわからない
さっき言ったように大抵僕からだから
風丸君がキスしてきたときってないよね、それもそれで興味深いかも

巧みでもあまりうれしくないんだよね、押されてる風丸君が一番可愛いのに押す側になったら・・・可愛いけど〜


「それはいつでもキスがしたいと訳していいの?」

「・・・、〜〜〜〜っ//////」


最初キョトンとした風丸君は僕の言葉を少し考えた後ものすごい勢いで顔を朱に染めた
わかりやすいなぁ


「へえ〜、風丸君そんなこといつも思ってたんだ〜」

「ちっちがう///」

「だって、そんなこと考えなきゃキスを上手くなりたいなんて思わないもんねVv」


僕がからかうように言えばあうあうと慌てている
内心僕はすごく楽しんでる
慌ててる姿ってホント可愛いVv


「僕じゃ不満?僕じゃ風丸君を満足させてあげれない?」

「そっそんなことは・・・///・・・なんか吹雪がオレの事遊んでばっかで、負けてるみたいで・・・それで・・・その・・・」


ほんと、風丸君って負けず嫌いだな〜
キスだけで僕に勝てるとは思わないけど


「風丸君」

「ふぶ・・・んっ///」


風丸君が僕の名前を呼ぶ前に僕は風丸君の唇をふさぐ
舌を潜入させれば息苦しそうにしている
もう、どちらの唾液かわからない
互いの唾液が流れ込む


「フッ///んん〜、ふぶ・・・き///」

酸素が行き届いていないのか風丸君の眼が徐々に潤みながらトローンとしてきた
風丸君はやっぱりキスが下手、これ決定事項
だって、呼吸もまともにできないんだもん
あまり長いと風丸君息止まっちゃう

そう思って僕は静かに唇を離す
やっぱり苦しかったみたい、風丸君は肩で息をしている


「これが上手なキスの仕方Vv」

「フッ、ハァハァ・・・ふ・・・ぶき」


息の荒い風丸君はこてんと僕の肩にもたれかかってきた
それを両腕に包み込むように支えた


「大丈夫?まだ早かったかな?」


僕がクスクスと笑えばやっぱり悔しそうにキッと睨みつけてきた
可愛い・・・そう思った瞬間、僕の視界が真っ暗になった

そして、気づいた時には僕の唇にやわらかいものが触れていた
ほんの数秒、あたっただけのそれはすぐに離れていった


「ふっ吹雪なんかに負けないからな///」


それから風丸君は立ち上がって呆然とする僕の隣を駆けて行った
僕はそれを目で追うこともできず、ただどこともいえない一点を見つめ続けていた





風丸君を侮ってたかもしれない

前言撤回、風丸君はキスが下手なんかじゃなかった

だって、こんなにも僕をドキドキさせてくれるんだから

柄にもなく顔を赤くするなんて///


END
このごろ、本気で吹風が大好き
ハリケーン組は本当に可愛いよね

ウチの吹雪君はひたすら小悪魔

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