Give&Get

□あと数センチ
1ページ/1ページ





好きだと言われたのが二週間前

キスをしたのが一週間前

もっと先を行きたいと思ったのはつい最近…


学校生活でも多少邪魔されることはあっても一緒にいて過ごせるだけで幸せだった






ある放課後…
すでに誰もいない教室でキスを交わした

男同士ということで勿論こんな関係は皆に黙秘している
それなのにいつ誰がくるかわからない教室でヒロトは風丸の首元に紅をつけた



「き…教室…だぞ?」

「そうだね…」

「…そうだねって…ちょっとま……」



ヒロトは構わず風丸のYシャツのボタンを1つ1つ丁寧に外していく
それに対して抵抗しようと外されたボタンを次々に付けていく風丸
これじゃあきりがないとヒロトは今度、ベルトに手をかけた


「だめ、絶対やばいって!!」

「大丈夫だよ」

「その自信はどこからくるんだ、部活生だってまだ部活終えてないんだぞ!!」

「……風丸くんはシたくないの?」



刃向かっていた風丸だったがその一言で何も言えなくなった
ヒロトはそのスキを付きYシャツをめくりあげた
油断してた風丸は声が裏返り慌てて密着するヒロトの身体を押し返す



「絶対だめだってっ」

「もう、風丸くんだってやりたいでしょ?」

「TPOを考えろ」

「…いつ誰が来るかわからない教室だから燃えるんでしょ?」

「……………」



このままでは流されてしまいそうだと風丸は逃げようと自分の鞄を引ったくるように掴み教室のドアを目掛けて走った
しかしヒロトは逃がすわけもなく風丸の手を思いっきり引っ張ったと思いきや床に押し倒した



「痛っ……」

「…おとなしくして」



珍しく真剣な顔つきになったヒロトに風丸は何も言えなくなり唾を呑み込んだ
今から食われる…そう思うと怖いというより恥ずかしいという感情が上回って風丸は顔を赤く染めた



「…あっ」

「あまり大きな声出すと廊下まで響くから注意してね」


ぱくりと耳たぶを甘噛み
女子のような声が出てしまった風丸は思わず両手で口を抑える
ヒロトに堪能されている耳を真っ赤にして羞恥に耐えた



「く…すぐった…」

「フフ…可愛いよ、風丸くん」

「かわい…いって…言うなっ……」


ヒロトの手が風丸のベルトにかかった時廊下の方で小さな足音が聞こえた


「………チッ」


それにいち早く反応したヒロトは小さく舌打ちをして風丸から離れ鞄を取った
そしてこの教室のドアが開いた途端場の空気はガラリと変わる


「風丸くぅん、かーえろw」

「ヒロト!!今日寄り道したいなぁ」


足音の犯人は吹雪と緑川でそれぞれ思い人にすり寄ってヒロトと風丸は引き剥がされた


「あーうん…」

「そうだね、帰ろうか」



こんな感じでいつもこの2人に邪魔されてしまう
いつもならここで何事もなかったようにやりとりは終わってしまうのだが今日は違った


「風丸くん」

「ん?」


ヒロトは風丸の腕を引き本人にしか聞こえない声で耳打ちをした


「続きは…また明日ね」

「!!」



ヒロトの指先、風丸の耳…お互いに触れ合った箇所の熱が冷めるにはまだまだ時間はかかりそうだ




(吹雪…)

(なぁに、風丸くん?)

(愛想笑いムカツクからやめろって言ってるだろ)

(クス……)



(緑川…)

(んー?)

(多少自重してくれてもいいんじゃない?)

(や☆だ)





END


「ぷち」の美子様に頂きました
緑→ヒロ風←吹で微裏です。ぷまいです///
本当にありがとうございました

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ