Give&Get

□ありがとうを君に
1ページ/4ページ

この日、1年でたった一回しかない日


今まで何気なく過ごしてきたこの一日が

これほど大切な物になるなんて思ってなかった
自分が変わったのは

アイツに出会ってからだ





≪ありがとうを君に≫






オレはカーテンから零れる光で目を覚ます
まだ覚醒していない頭が冷めるまでその場に縮こまる

目覚め切れてないオレが朝一番にすることは今日が何日か確認すること

オレは静かに携帯を取った
ディスプレイに映し出される日付
それを見て自然と口元が緩む


「今日はあの日か・・・ふわぁ〜」


オレはあくびして体を伸ばした
いつも隣にいる奴はもういない、相変わらず起きるの早いなぁ
なんでこういうことは真面目かなぁ

オレは気だるい体をゆっくり起こしてシーツに触れる
まだほんのり温かいからそこまで時間が経っていないのだろう


すると、自室のドアが開く音がした


「お〜い、起きてるか?」


声が聞こえた方を振り向く
そこには、オレが探していたアイツがいた


「・・・おはよう」

「お前も相変わらず低血圧だな。早く目覚ませよ」


呆れたようにアイツはそう言ってきた
いつもだったらそんなこと言われたらいつもだったらくいかかっていたかもしれない
しかし、残念ながら朝に弱いオレはそんな気すら起きない

すると、顔に何かやわらかいものが当たった
手に取れば白いタオルだ


「とっとと顔洗って来い」


こいつはいつからこんな世話焼きになったのだろうか
そんなことはほっといてオレは言われた通り洗面所に向かう

冷たい水を顔にかければだいぶ頭が冴えてくる

・・・確か昨日は何もされてないよな??
普通に隣で寝てただけだよな??

いつも、頭が冴えてきた頃に昨日の夜を振り返る
遅いと思っているが仕方ない

そして、自室に戻って再びアイツに会う

そして、食堂に行けば他の奴らがアイツに喰いかかる
本当に人気者だなと思う時がある
その時のみんなの眼はいつも試合で見せるものより鋭く見えることがあるけど、きっと気のせい

これがオレとアイツの日常



でも、今日は特別な日
みんなで騒ぐのも良いけど・・・アイツと・・・不動と一緒にいたいな






そして、グッドタイミングのように監督が今日の練習をなしにしてくれた
監督マジGJ!!今だったらオレ、ベンチでもいい!!・・・あっ、やっぱりヤダ



そんなことは置いといて
オレは不動のもとに駆けて行った


「不動!!出かけよ!!」

「ハッ!?お前いきなり何言って」

「問答無用♪」


そう言ってオレは無理やり不動の手を取って駆けだす
なんか後ろで不動がオレの名前を叫んでるけど


聞こえなぁ〜い♪




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ