Give&Get

□だって好きなんだもん
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「まぁまぁ、風丸マジで落ち着けって。不動もわざとじゃn」

「わざとだろ!」


何度もボールをぶつけられているのだ
わざとじゃない筈がない


「不動も謝れって」

「フンッ」


円堂がそう言うと、不動は何も言わずにその場を去って言った
後ろから自分の名前を叫ぶ風丸の声が聞こえてくる



それから、練習は休憩に入ってみんなそれぞれドリンクをもらって雑談、今後のメニューなどを話していた
風丸も階段に腰を下ろして首に巻いたタオルで汗を拭いて休憩していた
そんな風丸の隣に吹雪が腰を下ろした

ほんの少しの雑談と軽い(?)スキンシップ
風丸は大抵休憩を吹雪と過ごす
いや、吹雪が一方的に風丸と休憩している

だが、今日はいつもと違う
風丸の横顔をボトルに口を付けながら吹雪はじ〜っと見つめ続けた


「あの・・・なんかオレの顔についてるか?」


とうとう、吹雪の熱い視線に折れて風丸が小首をかしげながら訊ねた


「強いて言うなら練習中についた泥が・・・今はそんなもの見てないけど」

「じゃあ、何見てたんだ」

「風丸君の顔」

「いや、それはわかってるけど」


聞きたいことはそういうことじゃなくて、と言おうとしたが吹雪の熱い視線はやまない


「ねえ、風丸君」

「なんだ?」

「風丸君って不動君と付き合ってるんだよね」



ぐしゃっ


吹雪の言葉につい力が入ってしまい風丸の手のボトルは無残な姿にまでつぶされてしまい、中身のドリンクが風丸の手をぬらす
最初は理解できなかった吹雪の言葉だったがゆっくり風丸の頭が整頓されていき、脳にその意味が伝わっていく
そして、どんどん顔が真っ赤になって行くのを吹雪は見ながら楽しんでいた


「風丸君わかりやすいね」

「なっななな・・・///何いきなり言ってるんだよ!!!」

「だって、思っちゃうよ。あんなに仲悪いのに・・・本当に付き合ってるのって?」


風丸は返す言葉を失った
先程の事もあり、不動と風丸の交際関係に疑惑が掛っている
吹雪もその一人だ


「風丸君って、皆と仲良いくせに不動君とは最悪的に悪いじゃない?」

「だって、不動がちょっかい出してくるから」

「不動君のこと嫌い?」


その言葉に風丸は再び口を閉じた




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