Give&Get

□それがハロウィンの醍醐味ですから
1ページ/5ページ

10月30日
日本人の私にはあまり関係ないのかもしれないけど

私は今、キッチンと向き合い
お菓子作りの本とにらめっこをしている

あまり作り慣れていないけど
みんな食べてくれるかな?なんて

期待を持ちながら






≪それがハロウィンの醍醐味ですから≫





風丸は重い瞼を少しずつ開いた

夜遅くまで作業をしていたせいか布団の中が恋しい
しかし、遅刻をすればまた監督に怒られる

そう思って、体に鞭を打ちながらゆっくり体を起こす

デジタル時計を見れば
長針は“5”を短針は“6”を指していた
つまりは6:05

その下には今日の日付が映っている
10月31日

ぼやけた視界で確かにそれが見えた
低血圧な風丸だがここで寝るわけにはいかずベッドから下りる
床の冷たさに少しずつ頭が覚醒されていった


「確か昨日・・・作り終えた・・・よね?」


寝惚けて昨夜の記憶があやふやの中
机の上に目を向ける

そこにはいくつかの可愛らしくラッピングされたクッキーが・・・

人数-1個分おいてあった
なぜ1個引いたかというと、それが彼女の悪戯

それらをそれぞれ空の箱の中に一つずつ入れた
どれかはお菓子の入っていないただの箱


「誰が当たるのかな?フフッVv」


予想するだけで頬がゆるんでしまう

そして、風丸はクッキーの入った箱と中身がからの箱をカバンに詰めて身支度を始めた





次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ