Give&Get

□隠しきれないこの気持ち
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本当はさ、アイツと一緒に行きたかったんだ

でも、現実はやっぱり厳しくて
だから俺は

アイツの分も頑張ってるんだ

アイツが俺の事思い続けていてくれるまで




≪隠しきれないこの気持ち≫





「佐久間っ!!」


そう自分の名前を呼ばれ振り返れば大きく手を左右に振って駆けてくる青い髪の少年がいた
今、日本代表として一緒に戦っているチームメイトの風丸だ

何事かと思って口を開こうとしたら


「足!出せ」

「はっ?」


佐久間の近くまで来た風丸の両手が佐久間の肩を掴む
そして半強制的にベンチに座らされた


「何なんだよっ、いきなり!!」

「隠したって無駄だからな!ちゃんと見てたんだから」


何がだよ。と反抗しようとしたら風丸が佐久間の足首を勢いよく掴んだ
すると電撃が走るかのような痛みが全身を走った

出そうな言葉を抑えて、抑えきれなかった「痛い」の最初の「い」の字が出てしまった


「さっきこけた時捻ったんだろ?何我慢してんだよ」


見破られていたのかと佐久間は渋々捻った方のシューズと靴下を脱いだ
それから風丸が持っていた湿布とテーピングによって器用に処置された


「監督と円堂に言っておくからな、当分練習に参加できないって」

「おいっ!何勝手に決めてんだよ!!」

「怪我したまま練習して本番で動けなくなったら意味無いだろ!!!」


怒鳴ったら怒鳴りつけ返された
しかも、風丸の言葉が正論であったため佐久間はそれ以上言葉が出てこなかった

それでも佐久間は不服であった
練習できないのが嫌なのだ


お前は母ちゃんかよ・・・ってイッタ!!!」

「誰がかあちゃんだって〜?」


ぼそっと呟いた言葉に風丸はもっていたテーピングを急にきつく締めつけてきた


「痛い痛い!!タンマっていうかストップ!!悪かったって!!!」

「わかればいいんだ」


佐久間が降参したところで風丸の手の力が緩められた
ホッとしたが、でも次言ったら・・・という風丸の呟きに背中に冷たい汗が流れる

そして、風丸には逆らわない方がいいと固く決意したのであった



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