Give&Get

□好きですと伝われ
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平穏な日々が大好きで

皆と入れる時間が大好きで

もちろん、皆が一番大好きだ

……この大好きは違うんですか?




《好きだと伝われ》




佐久間はある一角を見ていた
そこには一つの団体ができていた
ここからは俺、佐久間次郎の視点から話したいと思う

その団体はある意味一人に集まっていると言ったほうがいいかもしれない

円堂、豪炎寺、鬼道、吹雪よく見かけるメンバーだ
それが円を描くようにして一人に集まっている
その一人というのが


「ねぇ、風丸君。これから一緒に買い物行かないVv」

「買い物なら他のやつと行けばいいだろ?風丸はオレと特訓するんだ!!」

「いや、そんなこと言った覚えはないんだけど」

「そうだぞ、風丸が困ってるだろ、休日くらい休ませてやれ、どうだ俺の部屋で」

「まぁ、それに一理はあるが豪炎寺の部屋というのがわけがわからない」


今日もやっていると俺は誰にも聞こえない程度にため息を吐いた
実際は今俺の周りに誰もいないのだから気付かれることはないのだが
あいつも不憫だな、と俺はその中心に目をやる

青い髪を高いところで結んでそれを揺らしながら困ったように苦笑いしている
俺達の中ではチームのおかん、やらマドンナなどと言われている
その正体は俺達と同じチームの背番号2番、通称疾風ディフェンダーの風丸一郎太だ
誰よりも男らしい性格だがそれに勝る女顔である
それに加え、世話好きでチーム思いときた
後輩からも、先輩からも、もちろん同年代からも老若男女関係なく好かれている

俺もよく女顔などと言われることはあるが、風丸には劣ると思っている(一方的に)

そんなモテる風丸だが、その中で最もアプローチが激しいのがあの4人だ


イナズマジャパンのキャプテン、そしてゴールキーパーの円堂
同じくエースストライカーの豪炎寺
ディフェンダーも兼ねているストライカーの吹雪
そして我らがチームの大黒柱であり、必要不可欠な存在、司令塔の鬼道!

どいつも普通にしていればモテるだろう、いやモテているのだが
だが、風丸に対しての執着心は病的だ、俺も鬼道のストーカーだとか変に言われているがさすがにあそこまではないと思う、いや思いたい


「ねぇ、風丸君。風丸君は僕のこと好き?」


吹雪が攻めてきた
周りに集っていた三人も目を大きく見開いている、さすがにこれには誰でも驚くだろ
俺も驚く、そして風丸の返事に耳を傾けてしまう


「何言ってるんだよ」


本当に突然何言い出すんだよ、と思う
風丸が少し頬を染めながら照れたようにしている、うん女みたいだ


「好きに決まってるだろ?」


今でも忘れない、あの時の三人の絶望したような顔は
俺もつい壁に自分のこぶしをぶつけてしまった
周りが俺を怪しい目で見ている、そんな目で見るな、お前たちも現状がわかれば同じ反応しただろう

しかし、風丸の言葉にまた驚愕することになる


「もちろん円堂も好きだぞ?」

「はっ!!?」


ニコニコと、これまた邪気のない顔
吹雪の驚いた顔に対して、円堂の太陽のような満面の笑み


「豪炎寺や鬼道もな!!」

「あっあぁ」


そこで俺は理解した
風丸の奴、「好き」の意味が違う
円堂、吹雪、豪炎寺、鬼道の「好き」は少なくとも恋慕などが含まれている
しかし風丸のものはあくまで友情などだろう、いうなら「LOVE」でなく「LIKE」
陰からみている俺でもこう思う、あの四人不憫なものはない


「だったら、風丸は誰が一番好きなんだ!!!」


おぉ、また勝負を仕掛けにいった。今度は円堂だ
たしかに一番と聞かれたら答えは絞られてくるな、それにそいつに希望がある
円堂にしては良い質問をした、たぶん玉砕覚悟なのかもしれないけど


「一番って言われてもなぁ・・・みんな好きだし」

「もちろん僕だよね!!世間ではハリケーン組なんて言われてるんだし、顔でいったらこの中で一番のイケメンだしね」


ナル乙


「そういうなら、俺はこのメンバーの中で一番最初に合体技を作ったんだ。原点と言ったら風見鶏だろ」

「古いところついてくるな」

「何だと!!?」


まさに鬼道さんが正論である
まぁ、顔で言ったら吹雪に劣らず整っているのだろう、くそっイケメンが


「そんなの関係ねえよ、なっ風丸!!」


そう言って円堂が風丸に飛びつく
その瞬間、まわりからガタン、だとかザワザワだとか効果音が聞こえてきた
俺もうっかり飛び出しそうになってしまう
しかしなんとか踏みとどまって見せる、マジ俺って大人じゃね?
よくよく考えれば円堂の風丸へのスキンシップという名のセクハラはいつものことなのだ
今更騒ぎ立てるほどでもない、大丈夫壁に思いっきり拳をぶつけるくらいでとどまれる


「風丸との付き合いはオレが一番長いんだぜ!!そこはやっぱりオレが風丸の一番だろ!!」

「キャプテン、付き合いが長いからといって彼の一番になれるとは限らないよ。それだったら全国の幼馴染さんは恋人になってるはずだからね」


吹雪が冷静な正論を言った!!
驚くべき進歩である
むしろ、いつものキザ・・・じゃなくてフェミニストな笑顔が消えた
影があって近寄りがたいというか


「少なくとも吹雪よりかわ上だと思うけどな」

「豪炎寺君どういうことかな??」

「お前らいい加減にしろよぉ」

「風丸は少し黙っててよ!!!」

「・・・はい」


あいつらは本題を忘れているんじゃないだろうか
完全に風丸は委縮している
確かにあいつらは熱くなると周りが見えなくなるが
風丸がどうにか止めようとしたがまるで蚊帳の外だ


「風丸」

「ん、あっ鬼道!」


肩を落としているところに鬼道がやってきた
さすがは鬼道、あの中にいてもその冷静さを失わないところ尊敬するぜ


「悪いな、迷惑だったろ?」

「いや、いつも楽しいよ」


困ったように詫びをする鬼道だが、風丸は柔らかく笑って見せた
風丸自身も実は本当に楽しんでいるのではないだろうか


「・・・なぁ、風丸」

「ん?なんだ?」


すると鬼道が風丸の手首を握る
握られた本人はきょとんとしたような顔をしている、少なくとも嫌がってはいないようだ


「せっかくの休日だ、こんなところでいるのももったいないだろう・・・だから、その・・・」

「・・・くすっ。そうだな、二人でどっか行くか!少ない休日なんだから満喫しないとな!!」


風丸がにこりと笑えば鬼道も緩んだように微笑んだ
そう言って二人は騒いでいる三人をよそにどこかに行ってしまった
完全に二人の世界だ
三人も騒いでるせいでそのことに気づいていない

これは・・・


「ふぅ〜」


俺は壁にそってそのまま腰を下ろした
二人の姿が見えなくなった途端頬が緩むのがわかる


「鬼道の一人勝ちって感じだな」


すると、あそこで騒いでるやつらがすごく馬鹿見たく見えてきてクツクツと笑いがこぼれてしまう
少し羨ましくも思うぜ鬼道
だってあの風丸を独占してるんだぜ?

でも


「風丸を狙ってるのがあの三人だけじゃないってことくらい、覚えておいてくださいよ、鬼道さん」


これは俺の宣戦布告だ
まっ、聞いてる本人はいないんだけどね





END


三万打フリリクでブレイク組+ハリケーン組で風丸争奪戦です
あれっ・・・佐久間??佐久間がなぜ出てきた??まっ、それは贔屓ということで←
遅くなってすみませんでした。ふうき様に捧げます

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