Give&Get

□ありがとうを君に
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店から出てくると同時にオレの中の糸が一期にキレる音がした
外で待ってる不動の周りに女の子達が集っていた
あんな頭でもアイツはかっこいいと思う、男のオレでもそう思うのだ
女の子ならきっとみんなそう言う


だけど・・・



オレはその中心にいる不動のもとに言って思いっきり手首をつかむ
そして一言


「へらへらしてんじゃねえよ。このニワトリ頭」


意外に低い声で自分で少しビックリ
不動も少し顔を青くさせている
そんな不動をほっといてオレは腕を引っ張ってその集団から引きずり出した

そんなオレ達の様子を女の子達は目を丸くして見つめていた


ひたすら歩いてたらいつの間にか人気のないところまで来ていた
辺りは暗くなっていて、星が光ってる
近くから波音が聞こえてくるから、近くに海があるのだろう


「誰がへらへらしてるだ」

「お前に決まってんじゃねえか!!女の子に囲まれて口元にやけさせてさ!!」

「してねえ」

「してた!!!」


声を荒げると同時に目頭が熱くなってくる
ポロポロと涙が頬を伝う
オレはいつの間に、こんなに涙腺が緩くなったんだおる

そうだ、こいつで出会ってからだ


オレが泣き始めるのを見た瞬間、不動が何やら慌てている


「なっ何泣いてんだよ!!」

「泣いてねえ」

「泣いてんじゃねえ「泣いてない!!!」」


自分で泣いているとわかっていながら逆らって見せる
折角の特別な日なのに

すると、オレの体が引っ張られる
そしてそのまま不動の腕の中にすっぽり埋まってしまった


「なぁあああ///」

「ウルセエ、少し黙ってろ」


離れようとすれば、腕に力を籠められて逃れることができない
逃げれず、オレは不動の腕の中ですすり泣く


不動・・・温かい、それに・・・心音が心地いい


止まることが無かった涙はいつの間にか枯れていた


「ごめん、不動。オレ、あの女の子達に嫉妬してた。不動、かっこいいから、可愛い女の子の方へ行ってしまうんじゃないかって・・・」


隠していた本音がつい零れてしまった
それほど、オレの中では余裕なんてない

あぁ、男なのに・・・オレって女々しい

そう思いながらオレは軽く苦笑いする
すると、舌打ちをした音が聞こえてきた
きっと不動だろう

こんな嫉妬でドロドロなオレ、嫌われたかな
ヤダな。離れていかないで

そんな気持ちが言葉に出ることはなかった


「ざけんなよ」

「えっ?」


オレが顔を上げると、唇にやわらかいものが当たる
不動の顔が近くにある


「ふっ不動・・・///」

「離れるわけねえだろ」


不動の手がオレの頭にのって、くしゃりと頭をなでる
いつもは嫌がるのだけれど、今日はなぜか嫌じゃない


「お前しか見てないんだからよ」


すると、不動が自分の携帯を取り出してオレの目の前につきだす
その画面には





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