Give&Get
□ありがとうを君に
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オレ達はセントラルパークまで来た
観光客や応援の人たちでにぎわっている
こいつはこういうところとか苦手だったか?
ちらりと横目で見てみるとため息をついているのが見えた
「不動、デートしよVv」
「はぁっ!?」
オレが柄でもなくそう言うと、不動は目を丸くして驚いている
そんなに声を上げられると言った自分が恥ずかしくなってくる
「だっだって、折角監督が休みをくれたんだから・・・その・・・えっと///」
どんどん恥ずかしくて言葉が濁っていく
そんなオレの様子を見て不動はクッと笑った
「わかったよ。今日は付き合ってやる」
その言葉が嬉しくてありがとうと言って笑えば、アイツはそっぽを向いてしまった
何か変なことを言ってしまっただろうか、と顔を覗き込もうとすると
不動がオレの手首を握って歩き始める
顔を覗き込むことができなくてオレは気づかなかったけど
不動、顔真っ赤だったらしい
それから店などまわって、途中で応援の人たちに呼びとめられたりしたけど
不動が腕を引っ張るからあいさつ程度でさようならだ
不動って本当にこういう人間関係が苦手というか、コミュニケーションが下手だよなぁ
まぁ、俺自身も得意とは言わないけど
そんなことより・・・
「不動、携帯開きすぎ」
「気のせいだ」
「気の所為じゃない」
さっきから不動の眼は携帯の画面ばかり見ている
デートを楽しんでるのか、楽しんでないのかわからない
もしかしたら・・・浮気・・・とか?
いや、そんな浮気相手との連絡を現恋人の隣でやるわけないか
だけど、さっきから携帯を見ている目がやらしい・・・
いや違うか
いつもより、顔がやわらかい
それが微妙に気持ち悪い
「不動、顔がにやけ過ぎ」
「なっ///んなことねえよ!!」
「誰かとメールでもしてんのか」
「違う」
「じゃあ、なんでさっきから携帯見てんの」
「俺の勝手だろ」
さっきからこれだ
誰とも連絡を取っているわけでもないのに、恋人とのデートで携帯ばっか弄ってんじゃねえよ!!
むぅ〜っと頬を膨らませているとオレの視界にある店が入った
「不動、少し待ってて」
「おぉ〜」
そう適当に返事する不動を殴ってやろうかとも思ったけど、オレはそのこぶしを下げて、店の中に入って言った
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