Give&Get
□小さいですけど問題でも?
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まぁ、呪いなんてあるわけないんだけど
超次元って恐ろしいなぁ〜
冗談が本気になるかもしれないんだもんなぁ〜
オレが3世代も先の奴らにまで呪いをかけれるわけないのになぁ
少し、オレが髪に掛かる重力に逆らってみただけで円堂青ざめてくんだもん
いやぁ、笑った笑った
もとはと言えば、オレをからかうアイツらがいけねえんだからな
オレは被害者ということで
オレはふと後ろを向いてみる
合宿場から結構離れてしまった
何も考えずに走っていると色々見えていないものだな
息が上がってるのも忘れてた
オレは足を止めてゆっくり歩く
「もうそろそろ、戻っても・・・と言ってもどうせ帰ったらからかうんだよなぁ〜、もう少し外回っているか」
オレはため息をつきながら近くにあった段差に腰を下ろした
「チビなのは仕方ないだろ・・・そうやって成長し・・・てないけどなぁぁぁ!!!」
言っててすっごい、残念な感じになってきた
そもそも、不公平だ!!小学生までは円堂とそこまで身長変わらなかったのに!!!
なんでアイツは中学になって急に伸びたくせにオレは伸びてないんだよ!!!
「か〜ぜま〜る君♪」
唸っているオレの背中に突如重いものがぶつかってきた
聞き覚えのある声
背中に乗ってきたそいつはわざと全体重を乗せてきている
こいつもオレをからかっているのだろうか
「重い・・・重い重い重い重い!!!」
「もぉ〜そんなに何度も言わなくてもわかってるよぉ」
「だったら降りろ!!!」
オレは背中に乗っている奴を下ろす
「吹雪・・・もしかして追ってきたのか」
「もちろんVv風丸君がもしも変な人に拉致されちゃったら大変だもん」
「それはオレが運びやすいって言いたいのか?」
そう言うと、吹雪はキョトンとしたような顔をする
「違う違う。風丸君は可愛いから心配なのV」
そう言うと吹雪がオレに抱きついてきた
慣れているけど、人前ですよ
「は〜な〜れ〜ろ!」
ベリッと効果音が聞こえるかのように勢いよく吹雪をはがす
吹雪も流石に慣れただろう、というか日常的すぎて動じない
慣れって恐ろしいな・・・
「吹雪もオレの事おちょくりに来たのか?」
オレが頬を膨らませながらそう言う
そう言うと、吹雪は一瞬呆気にとられたような顔をした後アハハと笑いだした
「風丸君、まだ小さいこと気にしてるのw」
「なっ、当たり前だろ///何が好きで小さく育ったのか・・・というか、吹雪もそこまで身長変わらないよな」
吹雪もだいぶ身長が小さい方だ
オレと目線が同じくらい
こいつは自分の身長について考えてないのか?
「小さいのは嫌だよ。早く大きくなりたいなぁって何回も思ったな」
まるでオレの考えていたことが見透かされてしまったかのように返事が来た
少しドキッとしたぞ
「でも、サッカーには慎重なんて関係ないよ!僕は今いっちばんしたいのはサッカーだもん。早く走れて、ゴールを守って、シュートが打てればそれでいいんだ」
ねっ、と言って少し首を傾けながらオレに聞いてきた
返す言葉がみつからなくて少し黙る
「大きいからって得なこともないと思うなぁ、壁山君とか見てるとそう思うけど。小さいなら小さいなりに出来ることもあるし」
「じゃあ、なんで吹雪は大きくなりたいんだよ」
「もちろん、風丸君を守るためVv」
聞いたオレが馬鹿だと思った
そうだ、吹雪はこういう奴だ
真剣に離してると思ったら、突然からかい始める
でも、護りたいからっていうのは結構理由に当てはまってるんだよな・・・
そう考えると
オレはおちょくられるのが嫌だから、身長が早く伸びたい
背の高い奴がかっこよく見えたから、なんて
すっげえ、馬鹿みたいな理由だもんな
これがオレ
オレの個性ってことかな?
オレは豪炎寺の言葉を思い出した
『小さくても風丸は風丸だ』
聞き流していたあの言葉を今頃思い出すのもなんだか笑える
かっこつけで言ってた言葉でも良いこと言ってんじゃんか、豪炎寺
小さくても、オレはオレ・・・か
そうだよな
「小さいのがなんだ!!オレは疾風ディフェンダーの風丸一郎太だ!!」
「わぁ、自分で疾風ディフェンダーって言っちゃった」
「なっ、良いだろ。別に///」
「アハハっ、確かに。さっき、風丸君の後、走ってる時思ったんだけど、風丸君また足速くなったね」
「ホントか!!!」
「うんVvこれからも頑張ろうねV風丸君」
オレがオレ
小さくても関係ない
走れるなら
問題無い!!
END