Give&Get
□小さいですけど問題でも?
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「ほらっ、いい加減にしろよぉ〜。風丸が起こってるだろ」
オレの怒りがふつふつと沸騰し始めた頃
オレとの間に円堂が割り込んでくる
流石はキャプテン。争いごとをすぐに止めようとする姿は立派だ
だが、お前が事の発端だということを忘れるな
「ということで!」
「はっ?」
オレは突如、浮遊感に襲われた
というか、足が地についてない
地面がさっきより近くにある気がする
というか・・・
「何やってんだお前はぁぁぁぁ!!!」
「いや、風丸が拗ねて動かなくなるかと思って、運ぼうかなとベッd・・・グラウンドに」
「ちょっとまて!!オレはいつからそんな、だだっこキャラに認定されたんだ!!というか今誤魔化したけどなんかとんでもないこと言おうとしてなかったか!!!!」
「気にしたら負けだぞ!風丸!!」
「気にするわぁぁぁぁぁ!!!」
説明が遅くなりました
只今オレは・・・なぜか円堂に脇に抱えられてます
うん、身長が小さいから足なんてつかねえよな
というか、簡単に中学生男子が持ち上げられてどうする
いや、木暮に至っては投げられたんだけど
それは良いとして
なぜこうなった!!!
「さあ、グラウンド行こうぜ!!!」
「一先ず離せえええええ!!!」
とりあえず、その場で足をばたつかせてみる
無駄なあがきだったが
後ろ向きで抱えられているオレは前を見ることができなくて、合宿場がどんどん遠くなるのが見える
どうも、円堂は本当に離す気はないようだ
なんか疲れた・・・
あまりこれは言いたくなかった、だがこの際どうでもいいだろう
ここまでキャラが崩れてるなら
「円堂、離せ」
「ヤダ」
「離せ」
「イヤだ」
どっちがだだっ子だ、この野郎
「円堂「ヤダっ!」・・・」
「・・・」
「風丸?」
突如黙り込んだオレが気になったのか円堂が顔を覗いてきた
オレの顔は背中の方にあるから後ろを向く形になるのだが
「円堂・・・本当に離さなきゃ・・・」
「 」
「!!!!?????」
オレが小声でつぶやくと円堂が腕を緩めた
その隙を見計らって、オレは円堂から離れる
「少しランニングしてるから。少しは反省してろバァカ」
そして、オレは後ろを見ずに駆けて行ったのだ
これから話すことはオレがその場からさった後の話だ
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