Give&Get

□隠しきれないこの気持ち
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「(照れてる、可愛いな)」


顔を真っ赤にしている自分の隣の子の顔を見て素直にそう思った
いつもどこかツンツンしているけどそれって外見だけなんだよな・・・と


「・・・ホントはさ、源田と一緒に世界に行きたかったんだ」


隣にいる佐久間がぼそりとそう言った


「アイツ、影ですっごくがんばってたの、俺知ってる。みんなの練習終わってから一人で特訓してた、だれよりも頑張ってたんだ」














放課後になって聞こえてくる機械音
不思議に思った佐久間はその聞こえる方向へと足を進めた

そこにいたのは


「・・・源田?」


機械から出てくるいくつものボールをゴールにいれないように全てはじき返している
実際試合でそんなにすぐにボールが来ることはほとんどないというのにだ

練習は終わっている、今日の練習だっていつもと変わらずハードで佐久間もフラフラだと言うのに源田はそのあとも練習していたのだろう


「・・・」


足元に転がっているボール
それを思いっきり源田の方へ蹴り飛ばした

思わぬところからのボールで源田も気づかずそのまま顔面にクリーンヒット
顔を抑えて声にならない声を出しながらうずくまった


「下校時間じゃねえのかよ、このライオン」

「さっ佐久間〜」


もう一回ボールを源田の方へ蹴れば次は受け止めて見せた


「一人で特訓ね〜、寂しいこった」

「ハハッ、俺も負けていられないからな」


この前、瞳子監督が来ていた
何かを言われていたがなんて言っているかはわからなかった


「付き合ってやるよ、俺も日本代表を諦めたつもりはないからな!それに怪我した分取り戻さねえと」


そんな機械より俺の方が数十倍強いしな、と付け加えれば源田は苦笑いを浮かべた


あの時は、ただ源田と練習がしたかった
真帝国の怪我が治るまでずっと見ているだけだったから
源田と一緒にフィールドに立ちたかった

だから、

今一緒にいれることがすごく幸せだった



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