short book
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目の前に倒れるいとしい人
―henntai ha omaeda. (Lucci *)
暗い部屋に薄気味悪い笑み(まあいつもの笑みなんだけどいつも以上にってかんじ)を浮かべてなぜこうなったのか分からないけど服に広がる赤いもの。
「・・・なにこれ。」
ルッチは横たわってる、あのCP9最強ともてはやされた憎い男。いつだってこいつはあたしの上を行った。その最強の男の血をあたしの指は吸ってる、うまいか?あたしの指。
「そんな、顔をするのか?」
いきなりすぎてよくわからない。でも手には明らかに、あたしの血ではないモノがこびるついているのは確かだった。
あたしが殺したのか。
それは疑問だ。
「ルッチ、なにしたの?」
「殺した」
「・・・ふーん」
いや、まったく意味分からない。あたしが横たわるルッチに一歩近づきしゃがみこんだ。変な形の髭をその血がついた人差し指でなぞる。
「なんで、」
「俺が死んだときのお前の顔が見たかった」
「変態じゃないの?」
「お前は俺が好きだろう、だから俺が死んだとき、お前の顔がどれだけ歪むか見たかった。」
いやいやいや、おまえ。
どんな自意識過剰ですか。
「ルッチ、命は粗末にしちゃ駄目よ」
「もう遅い。」
ルッチはまた不気味な笑みを浮かべた、いや満足そうな笑みというか・・・なぜそんなにも満足そうなのだろうか。
本当に一瞬だった
(いきなり手を掴まれた、)
(不思議そうに見ていると)
(あたしの手を握って)
(人差し指を立てて)
(嫌味にまたニヤって笑って)
(ガンッ!って)
(準備しない指弾は指がいたくって、)
(いたくていたくてすっごい痛かった。)
その場で泣き叫ぶことができるのはカリファとか、ギャサリンとかそういう子であって、あたしはできなくてあたしの指を見つめてた。
血だ・・・。
それしか、感じなかったんだもん。