オリジナル小説
□輝く星空のもと…
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「はぁ〜。つまんない。」
ため息を尽き、彼女は空を見上げる。
そこには、澄み切った空が広がっている。
彼女の名は、黒崎美優。高校2年生だ。
彼女は今、教室の窓際の席に座り、窓の外を眺めている。
現在、新入生の歓迎会の準備のため、クラスで分担割けをしている最中だ。
「ちょっとー。な〜にため息なんかついてんの?」
前の席から後ろを振り向き、身を乗り出して話しかけてきたのは、親友の千堂律。
律とは、中学からの友達で、今では親友と呼べるまでの仲であり、
良き相談相手である。
「新入生の準備するとかめんどくさい。」
「あー。まぁ、確かにね。…ってかもうすぐ私たち受験生だよー。」
嫌だなーと漏らす律もまた私と同じようにため息を尽く。
そう。もうすぐ、新入生が入ってくることにより、私達は進級し、
高校3年生になるのだ。
3年生には、受験という大きな課題が待っている。
3年生にもなると、2年生までの頃とは違い、周りも勉強に一生懸命取り組む人が増え、休み時間には、
テレビや雑誌などの話ではなく、進路について話すことが多くなる。
そんな毎日を過ごさなければならないことを考えると、頭が痛くなる。
「まっ!後ちょっとあるんだし、楽しもうよ!」
ね!と律は嬉しそうに微笑み、私もその笑顔につられて、笑みがこぼれる。
「そうだね。残りの時間、楽しく過ごさないとね!」
あははっと笑い合っていると、担任の先生にうるさい!と怒鳴られてしまった。
「「すいません。」」
声がかぶり、また二人で笑いあう。
そんな私達を見て、先生も呆れた様子であった。