君と居たい。

□第四話
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試合も終わり、次の試合までまだまだ時間があるので

私たちはとりあえず休めるところに向かった。


「ここでいいんじゃない?」

『そだね』


着いた先は陰があって周りは木々に囲まれて人も少なく落ち着ける場所だ。


『こんなところ学校内にあったんだ』

「なんでもあるよね、ここって」


そんな他愛ない話をしていると


ピトッ

『わっ!!冷たっ!!』

急に頬に冷たい感触が触れ、あゆは驚く。

「もう少し色気ある声出さな」

やって来たのは忍足くんと

「よぉ」

スポドリを当てた張本人、跡部くんだ。



「ほら」

『あ、いいの?』

そのスポドリを私に差し出した。

「あぁ。なかなかの試合だったぜ」

『ホント?ありがとう!』



「よ!!三上、斎藤」

『あ!!宍戸くんと…』

「鳳長太郎です!初めまして」


やって来たのは前に同じクラスだった宍戸くんと

その宍戸くんとダブルスを組んでいるという鳳くん。


「にしても三上、テニス出来たんだな」

『うん。去年は怪我して出れなかっただけでテニスは出来るよ』


そんなに上手くないけど。

跡部くんから貰ったスポドリを飲みながら答える。


「まぁ打ち方はまだまだだったな」

隣にいる跡部くんがそう言う。

「せやな。打ち方でいったら紗理奈の方が上手かったな」


なんて言いながら紗理奈の頭を撫でる忍足くん。

「ありがとう。侑士」


お、おぅ。
そういうのは他所でやってくれ。


「あいつらはいつものことだ。気にしたら負けだぞ」

跡部くん…慣れてるね。

いや、呆れてるのか。



「じゃ、俺と長太郎は試合見てくるわ」

「この後の試合も頑張ってください」

『うん。ありがとう♪』


宍戸くんと鳳くんはコートの方へと歩いていった。


さて。


『ねぇ、跡部くん』

「なんだ」

『あの二人…どうしよっか』

「…あぁ。ほっとけ」


いやいや!!ほっとくっていうか!!

私が耐えられないよ!!


あの二人は私たちがいるにも関わらず、イチャコラしてます。

「可愛ええな、紗理奈わ」

「もぅ、侑士ったら」




『バカップルが』

「はぁ。行くぞ」

『え?』

いきなり腕を掴まれ、立たされる。


『どこ行くの?』

「着けば分かる」


そのままズンズンと腕を引かれ、されるままの私。
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