君と居たい。

□第四話
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「それでは、試合を始めます。両者前へ!!」


お互いネット際まで来て、お互いに握手をする。

「よろしく。手加減しないわよ?」

『勿論!!負けないよー!』


相手の女の子にニコっと笑いかけるとその女の子にフッと鼻で笑われた。


ええええ!?何今のひどくない!?


『ブー』

「まぁまぁ」


口を歪めながらいると紗理奈に肩をぽんぽん叩かれ、なだめられる。


私たちは定位置に着いた。

私が前衛、紗理奈が後衛だ。


「三上・斎藤ペアサービスプレイ」

サーブはこちらからだ。


「いっくよー!!」

紗理奈はボールを高々く上げ、


「ハッ!」

バッコーンといい音がして、ボールが相手コートに入る。


「甘い甘い!!」

難なく返され、それに私は食らいつく。


パコンパコーンとラリーが続く。




「けっこうやるわね!!」

『へへっ。ありがとう!!』

「でも…私たちには勝てないわ!!」

「あ…!」


「ゲーム0-1!」



そこから、

「0-2!」

「0-3!」

簡単に3ゲームも取られてしまった。


―――観客側


「やっぱ相手がレギュラーだからな」

「ですね。やっぱりテニス部には厳しいですよね」

「イヤ、そうでもないぞ」

跡部が会話に割って入る。

「せや。よう見てみ、あの二人」

言われた通り、宍戸と鳳は二人を見る。






『んー、さすがだね』

「だねーでも、」


「『楽しい!!』」


「笑ってやがるな」

「はい。楽しそうです」

「これからってところか?」

見物だな…。



「さ、行くよ」

『もち!!』

カンっとお互いのラケットをぶつける。


「今更足掻いても無駄なことよ」

サーブは相手からだ。

「ハッ!」

『なんのなんの!』

「ちっ!!これならどう!?」



速いスピードの球が返ってくる。

ボールはあゆとは反対の場所に向かう。

「追い付くわけ…!」


『よっと!!』

だが、あゆはそれを軽々と返し、

ポトッ。

ネットの側に落ちた。


「15-0」


『いえーい!!』



「ほぉ。身軽やな」

「あぁ」

なかなかやるじゃねーの、三上。


パコーン!!

『よっ!!』

「くっ!!」

『ほっ!!』


ラリーが続く。

「これでどう!?」

ロブが上げられる。

「アウトだよ!!あゆ」


「アウト!」


『ナイス判断♪』

「へへっ」




「紗理奈は広範囲に視線が行くようやな」

「だな。冷静に判断して見極めている」




「身軽な動きで前を動く三上とそれをカバーするように冷静な判断で的確に指示する斎藤…」

「まるで青学の黄金ペアやな」



「ゲームセット!!ウォンバイ三上・斎藤ペア、6-4!」




『やったー!!』

「初勝利ー♪」


まさかホントに勝てるなんて思わなかったよ。


「負けたわ。強いわね」

『そっちもやっぱレギュラーはすごいね』

「よく言うわ。勝ったくせに」


ハハハっとみんなして笑い合った。
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