君と居たい。

□第四話
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テニスはトーナメント戦で行われる。

この大会は自分の部活の種目でも参加出来るため、ここはテニス部だらけだ。


「テニス部じゃないのって私達くらいじゃない?」

『かもね』


まぁでも勝てばいいんだから!勝てば。



「よっしゃ!相手をギャフンと言わせてやろ!」

『気合入ってる〜!』

「気抜いてたら負けちゃうからね!」



そんな会話をしている間にもう私達の出番だ。




「ふふっ。ダブルスで私達に勝とうなんて無理に決まってるでしょう?」


相手チームは私達と同じ学年でレギュラーでもある。



『いきなり強敵だね』


でも。


「私達の実力見くびっちゃいけないよ?」



「あら。強気なこと。でも勝つのは私達よ!」


お互い気合十分だ。



『さぁ』



試合開始だ!!









「よぉ。跡部に忍足じゃねーか」


「アーン?…宍戸と鳳か」


「なんや自分らもテニス観に来たん?」


「はい。今年はどんな試合になるか楽しみですから」


鳳が言うように、毎年この大球技大会は本当の大会さながらの試合が行われる。


そのため、名試合が生まれることも多々あるのだ。




「お、次あいつらの試合みたいやな」


あゆと紗理奈がコートに立っているのを見つけた。


「あぁ、斎藤と…三上か?」


「宍戸、三上と知り合いか?」

「いや、去年同じクラスでよく話してたからな」

「そうか…なんだ忍足。さっきから」


「いや?ただあゆちゃんの話になるとよう食いつくな思て」


「べ、別にそんなつもりねぇよ」


跡部はふいに視線をそらす。


「「?」」


その様子に宍戸と鳳は顔を見合わせ、よく分からない表情をとる。


一方で忍足はそんな跡部を見てニヤニヤしていた。
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