黒子のバスケ

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「未来っちって、好きな人いないんスか?」

「………はぁ!?」







ある日のお昼時、涼太と共にご飯を食べているとき、不意にそう言われた言葉に、私はお箸で掴んでいたおかずはポロリと弁当箱に逆戻りに、表情は凄く驚いた表情で、少し声を荒げた。

そんな私に少し彼はきっと私以上に驚いた姿を見せて、咄嗟に私はごめん、と謝る。
気を取り戻した涼太は目を輝かせながら確信を持ったように言った。






「その反応はいるんスね!誰っスか!」

「……誰も居るとかいってない」







ふいっと顔を反らしながら私は答えた。
あくまで平常心で。


だいたい本人を目の前にして、言える筈がない。言える人を私は神と見なす。
ちぇーっとつまらないそうにする涼太に私は反撃の意味を込めて聞き返した。







「そーいう涼太はいないの?」

「オレ!?」






一瞬で顔を赤く染めた。


あぁ、これ以上聞いちゃダメだ。


でも聞きたい。


曖昧な感情が私の心で葛藤する。








「……いるっス」








消えそうな声で呟いている涼太の声がやけにはっきりと聞こえた。
ぶわっと強い風が頬を掠める。
いつも以上に優しい瞳で涼太はとおくを見つめている。
その先には髪の長い女の子、ここの学校の生徒。


私には顔がみえない。でも感じた。ああ、あの人が涼太の好きな人なんだなーって。
ずっと、ずっと。涼太が見つめていた人なんだって。







「ねぇ、涼太」

「どうしたんスか?」

「恋をするのに、資格っているのかな」

「そんなの、いらないスよ。恋するのも、友達作るのも、自由」








そう涼太は言ってくれた。
私は涼太を好きで良いのかな、思うだけならいいのかな。







知ってしまった彼の想い







もう、わからないよ






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