love love love...

□episode1
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episode1
約束




























「うわっ!」

「おい白まんじゅう、もっとましに落とせねぇのか!!」

「着地100点なのー」

「どこがだ100点だ!!」

「いてて……」






玖楼国からの移動の後、 ソラ達は新たな次元に降り立った。
…否、落ちたのだ。
モコナの口から飛び出されたのは地上ではなく少し上空。

状況が直ぐに飲み込めなかった ソラ達はそのまま重力に従って落下した。





「大丈夫ー?」





尻餅を着いた痛みに未だ座っていた ソラにファイが手を差しのべる。
「ありがとうございますー」と言いながら微笑むファイの手を取り立ち上がった。

繋がれた手を離そうとはせず、自然と指と指を絡めあった。






「さて、どんな世界なのかなー」

「だが、誰もいないな」






辺りを見渡すが、人の気配は感じるが、人の姿は見えない。



ただ、草原が広がっているだけだった。
生い茂る草花が風によって揺れ動く。
思わず ソラは見とれていた。
風に煽られ飛んできた花びらにファイと繋いでいる逆の手を伸ばすが、その手は空をきるだけ。


左目が見えず距離感が掴めないのだ。





「はい」





半分しか宿さない光のなか、掛けられた声に顔を向ければ、 ソラの空いている手の上にそっと手を置いた。
ソラの手の上には先程彼女が掴もうとしていた花びらが置かれていた。

はっとファイを見ると、彼はウインクしながらへにゃんと微笑む。
胸の内が暖かくなるのを感じた。





「本当に…好きになって、よかった」

「んー?」

「な、なんでもないです!………あ」





手のひらに乗っていた花びらは風によって ソラの手から離れていく。
空高く、空高くへ。





「ファイー、 ソラー!」

「街を探そう」

「はーい」





手は繋がれたまま、小狼達の元へと向かう。
人の気配を頼りに街を探すようだ。
そう遠くに気配を感じる訳ではない為、近くに有るだろうと言う黒鋼の予想だ。


忍者の予想に従い、街探しは始まった。






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