Drrr!!
□!
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「……あ゛?」
目が覚めたのは新羅の家のベッドの上だった。
臨也の家で、見たこともないヤツにやられた。そこまでは意識がはっきりしてる。けど、そこから先の記憶が一切ねぇ。
傷口は綺麗に、とは言わねぇが塞がってはいた。
普段の俺の丈夫さから考えれば、相当深い傷だったんだろうな。
「ああ起きたかい?」
「……新、羅…セルティも、か」
『大丈夫か?かなり深い傷で…ホントに死んでしまうかと思ったぞ』
「悪ぃな……大丈夫だ」
やっぱりここは新羅のマンションだったのか。
セルティに突きつけられたPDAのディスプレイから、俺がどうなってこんな所に居るのか、分かった。
『情報屋…折原に呼び出された』
『玄関まで行ったが、どうやら静雄にその傷を負わせた相手も、相当にひどい傷を負っていた』
『あっちは自力で完治するからと言われたが…静雄はこっちに運んで新羅に治療してもらったんだ』
「……覚えはねぇけど…俺が暴れたってことか…?」
『おそらくな』
「いっとくけど、しばらくは安静にしてもらうからね。いくら君でもこの傷は深い。3日は此処から出さないつもりだよ」
「…分かってる」
医者としても尤もな意見を述べた新羅に、ここまで運んでくれたというセルティに小さく礼を述べた。
すると、セルティがまたもやPDAを差し出してきた。
今度はなんだ?
『それからな。しばらくは池袋に、外に出ない方がいいと思うぞ』
「あ?なんでだ」
「池袋ではかなりの噂になってるからね」
「『平和島静雄が金髪外国人に殺されたって』」
「はぁああああっ!!?」
そうして池袋最強の名が少しだけ霞んでしまったのは、また別の話。
2010/07/17