デュラララ!!
□無題
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「…………」
「………すー、」
「………」
何で俺はこんな状況になってるんだ?
† †
昼休み。
屋上に来ると、先客…っても臨也が居た。
喧嘩する気にもなれず、無視して弁当を食べ始めて。
何故か隣に来た臨也は俺の肩を枕にすると、瞬く間に寝てしまった。
あまりにも早くて、一瞬狸寝入りかと思ったが、此奴がそんな事をする理由はない。
「………(畜生…)」
幸せそうに眠りやがって…。
あまりにも気持ちよさそうに寝てやがるから、どうでも良くなってくる。
何で此奴が寝てるのかとか、何で俺にもたれ掛かってるのとか。
どうでも良い。
「ッ、わっ…!?」
不意に臨也の躰が傾いて――反射的に支えて、何故か膝枕に変わる。
傾いた躰を元に戻すのは大変だし、ならばこのまま膝枕になるしか……ない。
奇妙過ぎる光景だ。
「んンっ…」
身じろいだ臨也が寝返りを打つとしがみつくように服を握り締め、腹に顔を埋めた。
その姿が、凄く愛しく思えて。
そっと髪を撫でた。
柔らかい髪を梳くように弄ぶと、臨也が笑った気配がした。
「………起きてんのか手前」
「バレちゃったか」
悪びれていないような表情で、頭だけを動かして俺を見据える。
まるで悪戯を楽しむような瞳だ。
何がしてぇんだ此奴。
「まだ気分悪いからさ、あとちょっとだけ良い?」
「………あぁ」
顔に掛かった髪を退けてやろうとした手をとうとに掴んだ。
ぎゅっと強く抱くように。
「どうした?」
「何でも、ない…」
「…臨也」
「あと少し、寝かせて」
掴んだ手を一層強く握り締めた。
離れないように、抱くように。
気分悪ぃなら俺じゃなくて保健室のベッドで寝ろ。
そう言ってやりたかった。
此奴の体調を考えるなら、間違いなくそっちの方がいいんだろうけど、
けど、離れたくなかった。
此奴の傍に居たい。
只、それだけ。
俺が離れたくないだけで。
掴まれた手が、必要とされているようで。
どうしても此奴の傍を離れるなんて考えを、打ち消したかった。
「臨也…」
「……静ちゃん、俺…らしくないよね」
「だったらどうした」
「…………」
「傍に居てやるよ」
お前が寂しいなら、傍に。
お前が求めるなら、傍に。
必要以上は聞かずに黙って。
しがみつくなら、抱き締めてやるよ。
「……静ちゃん、大好き」
「………るせぇよ」
知ってるよ、バァーカ。
だから今は黙って抱きしめられてろ。
END.