デュラララ!!

□静雄誕生日
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「ふわぁあ…」

「夕方だってのに大欠伸だね。静ちゃん」

「……………………手前かよ」

1月28日。
何時もと変わらず家への道を歩いていると、臨也が後ろから声を掛けてきた。

妙にテンションの高い臨也に若干引きつつ、歩き出す。


「冷たいなぁ、昨日の夜は素直で可愛いk…」

「黙れ」

「静ちゃん知ってる?ガードレールは歩行者を守るためにあって、静ちゃんに投げられる為に在る訳じゃ無いんだよ?」

「………チッ、」

臨也にぶつけようとしていたのにその前にバレてしまっては意味が無い。
仕方ないので、ガードレールを元に戻した。


「所でさ、静ちゃん暇だよね」

「暇だけど決めつけてんじゃねぇよ」

「結局暇なんじゃないか」

「だから何だよ」

突然訳の分からない事を言い出した上に、何を思ったか―――手を握ってきた。


「……………、んだよ」

「ちょっと来てくれない?」






†‡






何故か臨也に手を握られたまま連れられた場所は―――臨也の家。

意味分かんねえ。


「適当に寛いでてよ」

「おぅ……」

部屋に通されて、適当に寛げって言われる事は珍しくは無い。

そして臨也はと言えば寛げといいつつ、直ぐに部屋に戻ってきた。
まだ5分も経ってねぇだろ。


「はい此、静ちゃんどーぞ」

「………………?」

「チーズケーキ嫌いだっけ?」

「いや…別に、嫌いじゃ‥」

目の前に出されたチーズケーキを見て固まりつつ、臨也に返事をする。
本当にチーズケーキは嫌いじゃあない、そもそも甘ければ何でも好きだ。


「じゃあ食べてよ」

「…………頂きます‥」

差し出されたチーズケーキを一口食べる。

旨い‥。

明らかにその辺のスーパーで売っているような安物では無い。


「美味しいでしょ其れ」

「あぁ、かなり旨い」

「親がケーキ送ってきてさ。静ちゃん甘い物好きだし、丁度良いかなって」

あぁ…臨也の両親か。
妹が態態此奴の為に買ってくることは無いしな。


「旨かった。サンキューな」

「どう致しまして―――じゃあ、静ちゃん目ぇ瞑って?」

急に何を言い出す。

まぁ慣れてるし、何も無いだろうと結論づけて目を瞑る。


「はい、いいよ」

再び瞼を開いた先にあったのは―――指輪の掛かったネックレス。

ぽかん、と眺めていると臨也が笑った。


「俺からの誕生日プレゼント」

「…………指輪かよ」

やっぱり、恥ずかしい事しやがって。

まぁ一番恥ずかしいのは、こんなんで泣きそうになる程に嬉しいと思ってる俺、だけど。


「文句言うなら返してくれていいけど?」

「………………」

出来ないの知ってて言いやがる。
相変わらずの性悪野郎。


「喜んでくれた?」

「―――、………だけだ」

「少し、ねぇ……?」

「るせぇ…」

少しだけ、




ほんの少しだけど


死ぬほど嬉しかった。















END.
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