デュラララ!!

□ゲンキン。
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携帯の着信音って、何でこんなに苛つくんだ?耳に纏わりついて苛々する。
「はい…」
「随分苛ついてるねぇ…シズちゃん」
「…何してやがる」
両耳から聞こえてくる臨也の声。電話しながら会いに来るか普通。
「シズちゃん電話嫌いだって思い出して会いに来てあげたのに」
「んで何の用だ」
一応、俺達は仲が悪い。外で普通に会うのも難しい。強ち間違いでは無いのだが。
「用が無いなら駄目?」
「……」
「冗談だよ。はい忘れ物」
臨也が差し出したのは手の平に乗る紙袋だった。
受け取って中を見てみると中には腕時計が入っていた。
「悪ぃ」
「別にー?」
ニヤニヤと臨也が笑う。
「………」
「わざと残さなくても、普通に会いに来ればいいのに」
「うるせぇ…」
クソッ…バレた。いや、バレてたのか。
「じゃー、またね」
「………」
「嘘だよ。そんな泣きそうな顔しないでよ」
「誰がだ…!!」
「シズちゃん」
「………」
完璧にからわれてやがる。
「また夜においでよ」
俺より低い身長で後ろから抱きついて来る。
「可愛いがってあげるからさ…?」
「殺すぞ」
「怖っ…」

「じゃーね」
「……おう」
思わず返事してしまう。特別なヤローへの弱みか…。
こんな時珍しく携帯なんぞに感謝するんだよなぁ。ゲンキンだ…。














end

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