デュラララ!!

□happy birthday
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ゴールデン・ウイーク。

学校は休みでする事は無くて退屈だし、双子の妹は随分帰って来てないし、親は元々家にはいない。
退屈で欠伸が零れる。

今日は4日。
あと2日―――考えただけで退屈だし暇だ。


ソファーに座っていて、とろんと頭が傾いだ時だった。

インターホンが家に鳴り響いた。
居留守を使う気にもなれずに、渋々立ち上がってリビングを出た。






†‡






「あれ…?」

「……………」

玄関を開けた先に居たのは静ちゃんだった。
別に会う約束も、喧嘩する約束もしてない。

ましてやゴールデンウイーク中に一度も会ってないのに、静ちゃんが家に来る理由が無かった。


「どうしたの…?」

「いや、その……」

言い澱んで俯いた。
本当に約束してないんだけどな。


「取り敢えず入ってよ」

「いや…いい」

「そう?別に俺はいいけど…」

どうしたんだろ。

さっきから落ち着かないように、下を見ては俺を見て顔を逸らす。

焦らせても駄目なんだけど、こうも落ち着かない様子だとなぁ…。


「臨也…」

「何?」

「………………やる」

頬を赤らめた静ちゃんが差し出したのは、丁寧にラッピングされた、手の平に乗るくらいの小さな箱。


「俺に?何で……」

「何で、って……誕生日だろ」

「…………………あぁ、」

あぁ、そう言えばそうだったか……な。
誕生日に誰か居るなんて珍しい事は無いし、プレゼントは何日かズレて送られて来るし。


「あぁ、って手前……忘れてたのか?」

「家に誰もいないからね。忘れても仕方ないよ」

「…あっそ」

「んで、此は有り難く貰っとくよ静ちゃん」

「あ、」

無防備になった静ちゃんの手からプレゼントを奪い、包装を破いていく。


「此って…ピアス?」

「……おぅ」

黒のクロスと紅いボール形のピアスが2つずつ入っていた。


「……ありがとう静ちゃん」

予想外に、口元が緩んだ。
自分でも驚く程に嬉しかった。

静ちゃんが俺の誕生日を覚えていてくれて、プレゼントまでくれて。


「まぁ取り敢えず上がってよ」

「…?おぅ」

「誰も居ないしさ、舞流も狂瑠璃も帰ってこないし……一緒に寝よっか?」

「――――ッ…!?」

「静ちゃんに拒否権は無いからね俺の誕生日だし、好きにさせてもらうよ?」

静ちゃんと過ごせるなら、ちゃんと誘えば良かったかな。


顔を赤く染めた静ちゃんが入ると静かに扉が閉まった。














END.

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