デュラララ!!

□valentineday
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どうすんだよ…。



盛大な溜め息を零してそう吐き捨てた。

理由は至極簡単だ。このちっけぇ箱。丁寧にラッピングされた明らかにプレゼントで。


んでもって……。




世間は所謂―――――…






バレンタインデー、だ。




大体、何で俺がこんなモノを持っているのか?
原因は新羅の野郎だ。


彼奴が
『恋人にはチョコを送るのが普通だと思うけどな』


とか言いやがってセルティまで同意するから。

しかも
『流石にチョコぐらいはやってもいいんじゃないか?』

とまで言われりゃあ、自分に言い聞かせてまでやらなきゃとか馬鹿な考えに陥るに決まってる。


「何してんの静ちゃん」
「―――――ッ!?」
ぎゅっと後ろから抱きつかれる。
それと同時に聞こえてきた声で誰と判別出来る。

「臨也…手前!!」
「どうしたの? 俺に会いにでも来た?」
半分はそうなので言い返せない。
俺の沈黙を肯定と看破した臨也はニヤリと厭らしい笑みを浮かべて立ち上がった。

「取り敢えず入ったら?」
「……おぅ」
どうすっかなぁ…コレ。
取り敢えずズボンに突っ込んで玄関に上がる。


――――って。
このままじゃ、ぜってぇに渡せねぇ…。


「静ちゃん?上がらないの?」
「臨也…手ぇ出せ」
「こう?」
スッと開いた手を差し出した。

「やる」
「………何?これ」
きょとんと首を傾げて聞いてくる。


言えるか、んな事。





コイビトに、チョコなんてよ。




「まさか、チョコ…だったりするのか…な?」
「………………」
「うわぁ…何、これ」
「―――っと」
ガバッと俺に抱きついてくる。

「ありがと…静ちゃん」
「……………おぅ」






















end

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