胡蝶の夢
□薄雲の貴女
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かの者の様に、遂げる事も出来なかった。だけれど。
最期に、一言だけ。
「甲斐姫様……僕、は……」
「秀詮様、お薬のお時間で……秀詮様!?」
ブチッ!
「あら……鼻緒が切れちゃったわね」
「嫌ですわね、不吉な……只でさえ宜しくない情勢ですのに……」
「し、失礼致します!」
「どうしたの?」
「小早川殿が……!」
……貴女を愛した、愚かな僕を……。
赦して下され……。
〜End〜
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