宝物(小説)
□日本の風物詩
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「日本の風物詩」
今日はオレ達二人の休みが久々に重なった
天気もよく、夜空がよく見えるのでベランダにベンチを出して酒を飲んでいる
ヒュルルル・・・・
ドーン
「ヒロさん花火やってますよ」
「んー・・・どこだ?」
今日一日中部屋にこもって研究をしていたヒロさんは一気に酒を飲んだせいかとても眠そうにしている
そんなに無理して起きていなくてもいいのに・・・
「ほら、あそこに見えるマンションの横です」
「本当だー・・・」
「・・・ヒロさん一緒に花火見てくれるのは嬉しいんですけど眠いんなら寝てもいいんですよ?明日仕事あるんでしょうし」
「・・・いやお前と、少しでもさ、一緒にいたいとおも、って、」
舟をこぎながらヒロさんが言う
ヤバい。可愛すぎる
「ヒロさんはやっぱり可愛いです」
オレはついそんな事を言ってしまった
そろそろ『可愛くなんてねー!!』って言う反論が聞こえる頃なんだけど・・・
「ヒロさーん?」
ヒロさんはオレの肩に頭を乗せてスヤスヤと静かな寝息を立てて寝ていた
その姿はとても色っぽくて、艶やかで、妖しくて
オレの中にある雄の欲望を煽り立てる
この状態でオレにお預けをするなんてヒドイ人だ・・・
「まあこんなところも可愛いんですけどね」
オレは寝てしまったヒロさんを姫抱っこしながら寝室へ戻った
END