贈り物
□平穏な日常
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「平穏な日常」
僕の1日はこれから始まる。
「銀さん!起きてください!」
「んー…」
毎日これの繰り返し。もう、どれくらいこれを続けているのだろう。
「も…少し、寝か…せ」
「…」
バサッと布団を剥がすと、その下からは腹を出して寝ている彼が現れた。
少し可哀想だが、こうでもしないと起きてくれない。
「さ…さみぃっ!おい新八!返せって!お前は母ちゃんか!!」
「さっさと顔洗ってきてください。もうご飯できてますよ」
「あー…そうなの…?じゃ、起きる………」
彼は1つ欠伸をし、冬眠から目覚めた熊のようにのそっ…と起き上がった。
「んー…」
起きたはいいがまだ彼は眠いらしく、目がとろんとしている。
「やっぱりまだ眠いですか?」
彼が少し可哀想に見えた僕は、そう聞いた。彼はこくんと頷き、目を擦りながら洗面所へ向かう。
その後ろ姿を見て、僕は溜息をつく。
(僕がいなければあの人は生きていけないんじゃないのか?)
でも、あの人は僕がいなくても生きていた。
…これは、僕のうぬぼれだ。