爆丸

□そして…めぐり逢い
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ファーブニルが次元への扉を開けたと同時に奇襲する。それが今回の作戦だった


(けれど、こんなに上手くいくなんて…)


電気の檻の向こう側、ミラの裏切りに目を見開くダン達がいた


「ユキト、早くしろ。ゲートが閉まる」

「行かないわ」

「ッ!そうか…」


一言だけ返してスペクトラは赤いコートを翻してゲートをくぐっていった
ゲートが小さく閉じていくのと同時にダンが無理矢理電気の檻をこじ開ける


「無茶をする…」


だが、結局は間に合わずゲートは光の欠片を残して閉じてしまう


「結局…間に合わなかった…」

「お主、分かっていたな…」

「さぁ…?」


飛んできたファーブニルに手を差し出し、その赤い球体の体を支える


「でも、これでよかったの…こうでもしないと、こちらが危ないから…」

「……」


スペクトラ達を地球に置いていくという考え、悪くはないが…残された彼等が何もしないという保証はない。下手をすればミヒャエル博士が危険にさらされていただろう


「ファーブニル!もう一度、もう一度ゲートを開けてくれ!」

「すまない。ゲートはもう…」

「いいえ、開けられるわ…」

「なに!?」


キッパリと言い切るユキトをファーブニルは驚いた目で見つめる


「ヘリオスとの戦いで力を消耗して、もうゲートを開けられない…違う?」

「そうだが…」

「あなたは何故、わたしがここに残ったか…分かるかしら?」

「お前、まさか!」


ファーブニルの言葉にユキトは静かにうなずく


「一体どういことなんだよ!説明しろよ、ユキト!」


2人の会話が見えないダンが焦れたように叫ぶ


「わたしがファーブニルの消耗した力を補う、それだけよ…」

「そんなこと、可能なのか!?」

「可能よ、ただ…」

「ただ、何だよ?」

「わたしの力では限界があるから送れるのは、わたしを含めた3人だけ…」

「って、ことは…」

「この中から2人しかワンダーレボリューションに行けないって、ことッスね…」


ダン、バロン、ルノ、ジュリィ、アリスの5人は顔を見合せる


「ダン先輩はドラゴ先生のパートナーだから決定として…あと1人は…」

「バロンが行って」

「えぇ!自分ッスか!?」

「ルノ!?」


ジュリィは言い出したルノを驚いた顔で見つめる


「いいの?ルノ」

「いいの」


諭すようなアリスの優しい声にルノは緩く首を振る


「だって私たちが行っても足手まといになるだけだろうし…だったら、シャーマンがいるバロンが行ったほうがいいに決まってる…」

「ルノ…」

「賢明な判断だわ…」

「ッ、ユキト!そんな言い方をしなくても!」

「……」


怒るアリスに言葉は返さずユキトは視線をしたへと落とした


(会いたい人に会えない気持ち、よく分かるわ…けど)


だからこそ、無茶をしてダンたちに迷惑をかけたルノがユキトには許せなかった






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