爆丸

□天国と地獄
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「デカすぎだろ、この装置…」


呆れたように上を見上げるダンに小さく苦笑する


「これはディメンショナルコンバーターではなく、下と上をつなぐ装置よ…」

「下と、上?」

「あぁ、ここγシティは地下都市なんだ」

「じゃ、ディメンショナルコンバーターは…」

「下にあるッス!」


バロンが指差すのは底が見えない大きな穴の下
確かに、このγシティのディメンショナルコンバーターは地下にある


「…でも、おかしい」

「何がでございますか?」

「警備が1人もいない…今までこんな事はなかった…」

「罠、ということか…」

「たぶん…」


罠という言葉に全員の動きが止まる


「どうするんだ?ダン」

「あともうちょっとで爆丸たちを解放できるんだ!だったら罠だろうとなんだろうと行ってやるだけだぜ!」


ダンの単純な言葉に皆、分かり切っていた、といわんばかりに同意する


「シュン…」

「分かった、だが、くれぐれも油断はするなよ」

「おう!ユキトは…」

「………」


普段めったに表情を変えないユキトはダンを見つめて珍しく眉間にしわをよせる


「ユキト…?」

「嫌な、予感がする…」


ユキトはポツリと呟く、この町にいるのはHEXはもちろん、プリンセス・ハイドロンもいる。だからユキトはγシティに行くことにためらいがあった


(行く、しかないか…)

「イヤならトレーラーで待っててもいいんだぞ?ユキト」

「…大丈夫、行くわ」


ダンの気づかいに首をふり、微かに微笑み、エレベーターへと向かう


(わたしは、確かめなくてはいけないのかも知れない…)


スペクトラ、あなたの真意を…






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