小説庫(書く所)

□※小さな獣はお好き?
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「……は、?」






別に屯所内で危険なことはないはず。
もしもの事態になってもそれをどうにかできる力は自分にはある。
心配してくれるのは素直に受け取っておきたいが、しかしそれは場違いだと思うのだが…。



とにかく何故こんなことになったのかも考えたいので、俺は中庭の傍の廊下に腰掛けて風に涼みながら中庭を眺める。


左之と総司は、それぞれ俺の左右に座った。





「まず、何があってこんな状態になるんだろ…」



「見当もつかん。…触るな総司」



「いや、見当くらいはつくだろ」



「「「…………」」」













「おい斎藤!いるか!?」



「はい。何でしょうか、副長」






遠くからバタバタと廊下を走る音が聞こえたと思ったら、土方さんが俺を探していたようだ。






「ここにいたか斎藤、あのな、その耳と尻尾のことなんだが…」



「え、土方さんが一くんにこんなのつけたんですか?可愛いのは認めますけど土方さん変態ですねー」



「阿呆、違ぇよ。それは山南さんの誤算だ」






ぴたり。
土方さんの発言にやはりと言うべき予想してしまっていた答えを聞いてしまい、揃いも揃って俺と総司と左之は動きも思考も一時停止する。






「…あの人、こんなもの作ってたんですか」



「変若水の改良に混ぜる予定の強力な薬物の原液だったんだが、それが熱さに弱く熱しているとすぐに蒸発したらしい」



「はぁ…それで、俺の身体の異変はどうして…」



「昨日の夜は風が強かったからな、その蒸発した薬物が屯所内を漂い、作用したそうだ」



「……よく作用しなかったな、左之、総司」





というか、こんな薬を変若水に混ぜたらそれこそ色んな意味で恐ろしい薬にならないだろうか。









「斎藤以外にも被害は出てる。…平助と新八がな」



「ぶっ」



「ちょっと左之さん汚いよ。確かに想像しただけで笑えるけど」



「…あとでからかいに行ってやろうかな」






やはり俺以外にも作用した人間はいたみたいだ。
しかし、…まさか新八が猫耳…だとは。

……すまない、新八。
平助は容易に想像できたがどうしてもお前は想像できない。



さて、それではこれからどうすれば良いのだろうか?
















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