小説庫(書く所)

□真っ赤な林檎になった日
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「一くん」


「なんだ総司」


「んー、何でもないよ」


「…そうか」


「……ねぇねぇ一くん」


「…なんだ」


「んーん、何でも」


「……そうか」


「………」


「……」


「はじめ、くん」


「はぁ…一体なんだ?俺の顔に何かついているのか?」


「え…?あー、うん。…ついてる」


「…本当か。何処だ?」


「ここ(ちゅっ)」


「…んっ!?」


「一くんの唇、気になって仕方ないの」


「…な…っ、な…総司…!」

「一くん、顔桃色だぁ可愛いー」


「ふざけたことをするんじゃない…!」


「僕はいたって真剣なんだけど」


「〜〜〜〜〜ッッ!!もういい!部屋に戻れっ」


「やーだ。一くんの傍にいられない(ぎゅうっ)」


「ぁ…、そ…総司っ離…」


「いやだ」


「総司…!んんっ…!」


「ん、はぁ………もう…一回で聞いてよ…」


「………」


「?なに、一くん?」


「…そ、じ」


「…ん?」


「…俺だって、傍にいたい……」


「……はじめ…く」


「……ぁ…すまない」


「何が?、そう言ってくれて嬉しいよ?」


「…総司……もっと…」


「…ん」


「んッ、…ん…はぁ…」


「は…ッ、…顔が火照って林檎みたいだね」


「…林檎は嫌いか?」


「ううん、好き。こんなに綺麗な林檎、食べちゃうのが勿体ないくらい」


「…まだ熟してないかもしれないぞ…?」


「少し前のほうが美味しいとは思わない?」


「…ふ、総司らしい。な…」


「好きだよ。勿論林檎より、ね」









真っ赤な林檎になった日
(…あぁ、まだ報告書も副長に渡していない)
(そんなの、後で良いでしょ)
(…お前は一度真剣に説教されたほうがいいな)









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