小説庫(書く所)
□※好きor愛してる
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最近、総司の様子がおかしい。
否、至って正常だと、そう土方さんは言う…が。
「しかし副長。総司は近頃本当に変です」
「総司はいつもあんな感じだろうが。…斎藤、お前一体総司の何を見たんだ?俺には相変わらず憎たらしく見えるけどな」
「それは…」
こんなことを話せば、土方さんは総司よりも俺のことを変だと思うだろう。
…はぁ、これもすべて総司の所為だ。
「……いえ、何でもありません。時間を割いていただいて…申し訳ありませんでした」
「いや、かまわねぇけどよ…」
結局、無駄な時間を土方さんに取らせてしまった。
障子を開けようとする寸前で副長の声が聞こえた。
「斎藤。俺はお前にかなりの信頼感を抱いている。それは、ほとんどの隊士が一緒だろう。
考え込むなよ。ちったぁ他人を頼りやがれ」
…まさか土方さんにそんな心配をされるとは予想外だった。
驚きから、動きが一時停止している俺にかまわず、土方さんは思い出したように言葉を続ける。
「それと、お前の最近の悩んでる様子に平助と雪村が心配していたが…」
平助と雪村が…?
そこまで態度に出ていたのだろうか…
「そうですか…ありがとうございます、副長。では俺はこれで失礼します」
「おぅ」
軽く頭を下げ、礼を言ってから土方さんの部屋をあとにした。
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