小説庫(書く所)

□※好きor愛してる
1ページ/4ページ

最近、総司の様子がおかしい。



否、至って正常だと、そう土方さんは言う…が。






「しかし副長。総司は近頃本当に変です」


「総司はいつもあんな感じだろうが。…斎藤、お前一体総司の何を見たんだ?俺には相変わらず憎たらしく見えるけどな」



「それは…」





こんなことを話せば、土方さんは総司よりも俺のことを変だと思うだろう。


…はぁ、これもすべて総司の所為だ。






「……いえ、何でもありません。時間を割いていただいて…申し訳ありませんでした」



「いや、かまわねぇけどよ…」





結局、無駄な時間を土方さんに取らせてしまった。
障子を開けようとする寸前で副長の声が聞こえた。



「斎藤。俺はお前にかなりの信頼感を抱いている。それは、ほとんどの隊士が一緒だろう。


考え込むなよ。ちったぁ他人を頼りやがれ」






…まさか土方さんにそんな心配をされるとは予想外だった。


驚きから、動きが一時停止している俺にかまわず、土方さんは思い出したように言葉を続ける。






「それと、お前の最近の悩んでる様子に平助と雪村が心配していたが…」


平助と雪村が…?
そこまで態度に出ていたのだろうか…




「そうですか…ありがとうございます、副長。では俺はこれで失礼します」



「おぅ」




軽く頭を下げ、礼を言ってから土方さんの部屋をあとにした。






_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ