小説庫(書く所)
□※好きor愛してる
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「僕は、一くんが好きだよ。
一くん全てを愛してる。
何回も言ったけど…それじゃあ君は納得してくれないのかな?」
「俺には何の面白味もないだろう…っん!?」
本当に総司はわからない。再度口を開こうとしたら、言葉を紡ぐ前に塞がれた。
…総司の唇で。
「は…そう、じ…っんん!」
「一くん…君が好き。軽いものじゃない。…こういう対象として…
一くんはどう?こんなことをする僕を…嫌いになった?」
今までにない真剣な目をして、問いかけてくる総司。
「お…れは…」
何とも思ってないはずだ。
総司のことなんて、何とも…
だが、この鼓動の速さはなんだ…?
いや…胸が苦しいのは先程の接吻の所為だ。
断じて、総司に対しての感情の所為ではない…はず。
「俺は…総司のことは…っぁ!?」
突然。
そう、突然甘い刺激が身体を走った。
一体なんだ、と総司を見やる。
「…ごめん、一くん。やっぱり僕…答を一くんの口から聞くのが怖いよ」
だからといって、これはないだろう、これは。
総司の指が身体を這い、思考が溶けていきそうだった。
が、ここは自分の…総司の自室でもない廊下だということが問題だと、そう思い出し…総司に抗議しようとする。
「…っそ、じ…ここは…ンっ、ろう…か、だっ」
隊士の誰かが通らない、なんてあるわけがない。
もし、この行為を見られでもしたら…
そんな場所でこんなことをするなど、総司は一体何を考えているんだ…
「うん…でも、ここで一くんを逃がしちゃうと、なんだかもう触れることすらも出来ない気がしたんだ。
後悔…?したくないんだ。
…いや…後悔、するかもしれないね。同意の上でなく、ましてや廊下で手を出しちゃってるんだから」
苦笑しながら、そう言う総司。
その間にも総司の手は蠢き、俺の身体に熱を与えていく。
「…ぁッ、は…はぁ、ぁ」
「可愛い…ね、一くん」
呼吸がうまくできない。
苦しい。身体が熱い。視界までぼやけてきた。
けれど、俺の意識は心地よい総司の体温と、快楽に集中してしまっていた。
「好き、大好きだよ。…ごめんね」
「そう…っんぅっ…」
…あぁ、もしかして本当は…
「あっ…総司…っ」
…本当は……
「俺、も…っあんたが…好きだ…っ!」
本当は、俺のほうが おかしいのかもしれない。
END
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