BOOK〜HUNTERXINDEX〜

□H.I.I.W.7
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(さっさと終わらせねーと、笹川がもたない。)
キルアは血だらけで無理な動きをさせられ続けている笹川を見て、そう判断した。
美琴もそのことを察しているらしく、笹川の方ばかりを見ている。
(…とりあえず御坂を早く外に出すか。)
教師の攻撃を避けるふりして、キルアは美琴に近づく。
丁度ウノから、自分の口許が美琴で隠れるように。
「(御坂、外に出てこの学校含めた辺りを停電させてくれ。外に出る方法は、俺に任せて。)」
小声でのキルアの指示に、表情には出さないが少し困惑した美琴。
キルアは自分の言いたいことを言い終えると、また教師の攻撃を避けるよう飛ぼうとした…
のだが、
「しまっ!」

ザシュッ

「キルア!」
美琴が思わず叫ぶ。
それと同時に、飛ぼうとしたところをナイフで襲われたキルアは、勢いよく吹っ飛び、床に身体を打ち付ける。
額がナイフで切られ、大量の血を流している。
「まあ、正解だね。念でガードしたら攻撃とみなされ、笹川は爆発してたよ。」
ウノはニタニタと笑い、キルアを見下ろすように眺めている。
「大丈夫?」
挑発めいた言葉を無視して、美琴はキルアの方に駆けつける。
「…マジ頭きた。」
キルアの低い声が響く。
「え?」
駆けつけた美琴が一瞬驚いた声をあげる。
「もーいーや。めんどくせーから、笹川以外全員殺す。」
キルアの瞳が、今までにないほど残酷で冷たいものへと変わっていた。
彼の額からは大量に血が流れており、瞳に入りそうである。
「……さすが…暗殺一家の息子だね。」
事前にキルアの情報を得ていたのであろう、ウノは少しだが顔を引き攣らせている。
余裕の笑みではなくなっていた。
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