BOOK〜HUNTERXINDEX〜

□H.I.I.W.6
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「まだ意外と残ってるな。」
財然は廊下を行き交う生徒を横目で見ながら、隣にいる美琴に小声で話しかける。
「まぁほとんど帰ろうとしてる生徒ばっかだけどね。」
美琴が学校入口付近のセキュリティ機器を弄ったおかげで、スムーズに潜入することができた。
「…それよりさっさと職員室行かなきゃね。」
美琴は辺りを見回しながら、職員室を探していた。
「たぶん、あっち側にあるぜ。」
「なんで分かるの?」
「さっき何人かの教師が慌ててあっちから走ってくるの見かけたからな。恐らく俺達が壊したセキュリティ機器を確かめに行ったんだろうな。」
財然は続ける。
周りに気付かれないよう、世間話をしているかのような振る舞いで。
「あと、プリントやノート類の資料を大量に持った、如何にも真面目そうな生徒があっち向かってたし…。十中八九、あーいう資料の提出場所って職員室なんじゃないの?」
財然が美琴に確認するように彼女に視線を向ける。
「まぁ、そうね。」
「とりあえず向かおうぜ。」
財然にそう促され、美琴は彼女の後についていく。

と、その時…。

バァーーン!

向かおうとした先から、大きな爆発音のような音が響き渡った。

廊下にいた生徒達も、何事かと音がした方へ一斉に振り向く。
「……なんか…嫌な予感すんな。」
それは恐らく当たっている、と妙に納得してしまった財然は急いで爆発音がした方へと走り出す。
「ちょっと待ちなさいよ。」
美琴も財然に続き、走り出した。
他の生徒達はそんな二人を見ながら、呆然としている。
「あんた達は避難して!」
走り出した美琴が生徒達にそう叫ぶと、それを合図に生徒は皆、彼等とは逆方向へと走り出した。
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