BOOK〜HUNTERXINDEX〜

□H.I.I.W.8
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星一つない暗い空の下、上条当麻は道端で息を切らしながらしゃがみ込んでいた。
「……不幸だ。」
この台詞を言わない日はないな、と落胆する上条。
彼は今、自分の学校がある第7学区から遠く離れた場所にいた。
不良に絡まれていた女の子を助け、またいつものようにその不良10人ぐらいに追いかけられ逃げていたら、随分と遠くまで来てしまったようだ。
「…あー、もう、ここはどこなんですかー!?」
頭を抱えながら叫ぶ。
この付近全てが停電してしまったらしく、街頭すらついていない。
「…うーーん、ここって…どっかの学校かな…?」
彼は塀つきの大きな建物を見上げる。
どうやら裏の方らしく、入り口が見当たらない。
(とりあえず携帯で自分の位置を確かめますか。)
懐から携帯電話を取り出し調べようとした時、

タンッ

制服を着た一人の少女が塀から飛び降り地に着地する。
「どうにか見つからず抜け出せたわね。」
ふー、と息をつき塀に凭れかかる。
先程まで緊張感漂う場所にいたのだろう。
上条はその少女に見覚えがあった。
一瞬いつもと服装が違うので断定できなかったのだが、声を聞いて確証を得た。
学園都市第3位の超能力者、御坂美琴である。
美琴は彼に気付いていないようで、少し痛そうに左肩を抑えている。
よく見てみると、抑えている部分が血で滲んでいた。
「……御…坂?お前どうしたんだよ。」
上条が彼女に慌てて駆け寄る。
普段の彼であれば、こんな反応はしないだろう。
だが今回は違う。
美琴がボロボロになって血まで流している姿を目撃し動揺してしまう。
それと同時に、また彼女が辛い事件に巻き込まれているのではないかと不安になってしまった。
「………!?」
ビクリっと分かりやすく肩を大きく震わす美琴。
「なんでそんな傷ついてんだよ!」
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