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□No.3
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天音は青一色の不思議な部屋にいた。
…この状況の意味がわからない。自分は…
!シャドウと戦っていたはずだ!!そして…黒いペルソナにオルフェウスを乗っ取られたかと思ったら、それが大型シャドウをやっつけてくれて…
そこまで考えて、やっと自分が気を失った事を思い出した。
「お初にお目にかかります」
急に声をかけられ、気づくと自分は椅子に座っていて目の前には鼻の長い老人がいた。
老人はイゴールと名乗った。天音はさっぱり意味のわからない状況に言葉を出せずにいた。だってこれは夢のはずだ。
むしろ夢でないと困る。こんな青ばっかりの部屋はさすがにイヤだ。と、どーでもいい事を考えていた。
そんな天音を知ってか知らずか…イゴールは何やら色々説明している。そして奥から若い男性を呼び、貴方のお手伝いをするものです。と言った。?意味がわからない。
「テオドアと申します。テオとお呼びください」
淡々とされる説明、自己紹介に夢にしてはおかしいと気づいた天音はやっと言葉を発した。
「いや…これって夢だよね?」
「そう。現実の貴方は眠っていらっしゃる」
「??」
なんと回りくどい話し方なのか。夢であって夢じゃない…
色々な説明で1つわかったのは自分と湊は力を磨く運命にあってこの人達はそれを手助けしてくれる存在だと言う事。
「…私だけじゃダメなの?湊も…?」
「…貴方方は同じ事を言うのですね」
「!?」
「テオドア」
「!!失礼しました…」
テオが口走ってしまった言葉は、もう湊はこの事を知っていると言う意味だと思った。
「…そろそろ時間のようですな」
「待って。まだ聞きたいことが…」
「現実の貴方がお目覚めになるようです。…次にここを訪れる時は、貴方自らの意思で来る事になるでしょう」
「これをお持ちください」
「これは?」
天音の問いかけに答えるものはいなかった。一瞬のうちに青い部屋とその住人達は光に包まれ消えてしまった。残ったのは左手に感じる暖かな温もりだけだった。