GS

□5話
1ページ/8ページ

今日は土曜日。カレンたちとお泊り会。昨日メールで、直で向かうから準備してきてね♪
とカレンから連絡があったから着替え等を持ち家を出た。

今日はいつもより早く登校しなければならなかった。
昨日の交流会での事をまとめたりする為に早朝会議がある。
こういった特別な時以外も月に数回はあるので生徒会に入って間もない小雪でも何度か経験済み。
だから早起きは苦にならない。でも今日はそれよりもかなり早い。
兄はまだのんびりご飯を食べているような時間なのだ。
なんとなく一人で行きたかったから早めに出てきたのだった。



学校に着くと生徒会室に直行する。まだ誰も来ていないだろうと思ったが一応扉を開けてみると
……すんなり開いた。誰か居るにしては静か過ぎる室内。
何故か忍び足でこっそり歩いてしまう。


「鍵、閉め忘れたのかな?………あ…」


誰も居ないと思ったていたのに、鍵が開いていた理由は閉め忘れではないらしい。
奥の方で椅子に座っている人が一人…それは生徒会長の紺野だった。


「寝てる………」

(昨日は色々あって大変だったはず…なのに私を送ってくれて
…それで今日も早起きじゃ眠いよね。もう少し寝かせてあげよう)


…とは思ったもののマジマジと紺野の顔を覗きこんでしまう。見ると眼鏡をしていない…


「眼鏡してないの初めて見た……別人みたい…カッコいい…」


そう呟いた瞬間、心臓がキュウっと締め付けられるような感覚を覚えた。
自分の胸に手を当ててみると、心臓はドキドキと早鐘を打っている。まるで運動直後のようだった。
ビックリして紺野の側から飛びのくように離れた。
今までこんな経験のない小雪は自分の体がどうにかなったのかとオロオロと室内を歩き回って
一度この部屋を出ようと扉に手をかけた。


「おはよう。昨日はよく眠れた?」

ビクッッッッ!!!

「こ、こ、紺野先輩。お、はようございます」

寝ていたと思ってた人物に声をかけられあまりの驚きに声が裏返りながらも平静を装おうとする。
紺野は紺野でそんな様子の小雪をみて笑いを堪えきれずに、小さく笑っている。


「せ、んぱいは、いつからここに?」

「僕は、30分くらい前かな。君は?どうしたのこんなに早く」

「な、なんとなく早く来てみようかな〜なんて思いまして」

「うん。元気そうだ。…良かった…」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ