GS
□4話
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今日はいよいよ待ちに待ったはね学との交流会。
朝からルンルンと音がしそうな位上機嫌の私に気がついたカレンが問い掛けてきた。
「小雪〜♪どうしちゃったのそんなにルンルンしちゃって?」
「ルンルンって、そんなだった私?」
「うん!可愛い顔しちゃってたよ〜」
「また、カレンはー」
「もう、小雪はもう少し自分をわかった方がいいよ〜せっかく可愛いのに」
勿体無い!と横で騒ぐカレン。そう。私は自分の容姿に自身がなかった。
容姿と言うより主に身長に物凄くコンプレックスがあるから。
日本の女子の平均身長は約158cm。それに比べ私は146cmしかない。
そのせいか、可愛いと言われても子供扱いされてるようで素直に受け取れなかった。
ボーっとそんな事を思っている私にカレンが話題を変えるように話し掛けてくれる。
「で?上機嫌の訳は?もしかして、デート?」
「で?!ち、違うよ!今日ね、はね学に行くの」
「何しに?」
「生徒会の活動でね。私高校入試の時、はば学とはね学で迷ってたから、こんな形でも行けるの嬉しいの」
「へ〜、それだけ〜?新しい出会いとかあるかもよ♪」
「そんなのナイナイ。ま、ホントはそれだけじゃないけどね」
フフっと笑う私にカレンは(?)な顔をしていた。
そう、今日はもう一つ大事な事がある…
それは、お兄ちゃんの事。
あれからかなり頑張ってライブチケットをゲットしたお兄ちゃんは、
今日はね学に行って会えたら例の彼女をデートに誘うつもりだった。
彼女が何部なのか?今日は学校に来ているのか?
何もわからないから授業が終わったら一番に向かうつもりらしい。下校しちゃったら逢えないから。
「そうそう、小雪明日の夜暇?」
「どして?」
「フッフッフー。アタシの家でお泊り会しない?みよとバンビも誘って」
「うん!いいよー、楽しみ」
「じゃ、決まり〜!詳しいことは後でね」
そう言うとカレンは自分の席に戻って行った。
…バンビ、と聞いて一瞬ドキッとした。ホントは行くのが怖い。でもせっかくの友達とのお泊り会をそんな理由で断りたくなかった。
私はただひたすら、何も起きないように祈った。