GS
□1話
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「小雪ー。早くしないと置いてくぞー!!」
私の部屋の扉をノックしながらお兄ちゃんが叫ぶ。
聞こえてるけど返事をしない。
シカトしてるとさらに”ドン、ドン!”と扉を叩く。
「もう!開けるぞー」
ガチャっと扉を開けて鏡の前に立ち尽くす私を見てゲラゲラと笑ってる・・・
怒りに顔を引きつらせて、無言でお兄ちゃんを部屋から締め出そうとする。
「あはは、わ、悪かったって!そんなに怒るなよ。に、似合ってるよ・・・ぷっ」
「お兄ちゃんなんか嫌い!もう学校行かないっっ!」
わかってる。私にこの制服が似合わないことくらい。
でもさ、こんな大爆笑しなくてもいいじゃん!
去年の新入生からモデルチェンジされた制服・・・
150cmに満たない身長の私にはどうにも着こなせない。
最近の子達は平均身長が高くなってるらしく私の身長にピッタリのものがなかった。
それでも特注でピッタリサイズを作って貰って着ているのに、なに?この着られている感じ・・・
お兄ちゃんが笑ってるのも頷ける。でも今日の私は一緒になって笑うなんて出来ない!
だって今日は・・・
「何言ってんだよ、入学式からサボるつもりか?準備出来てるならさっさといくぞ」
そう、今日は”はばたき学園高等部”の入学式
私は今日からはば学の一年生になる。