臨也×静雄

□ひとつになろうか
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平和島静雄 は5日前に死んだ。

原因不明の病だ。

最初の症状は、普段持ち上げても何ともないサッカーゴール。
それを持ち上げた時に腕の骨が砕け、そのまま腕と同時に肩も脱臼、そんなこと高校生になってなかったと静雄は言った。

でも、静雄の回復力はあまり衰えていなかったらしく、すぐに回復した。また臨也と殺し合いをしたらまた別の骨が砕け、肉離れもした。

今回は回復力が少し衰え、回復に2週間もかかった。
(あ、普通の人と比べたら早いよ?)

そうして徐々に衰退していった静雄。
それを理解した臨也も喧嘩を売らなくなった。

最期の方は立つことも動くことも喋ることもままならなくなり、呼吸器をつけて1日寝ている状態だった。
最期は植物状態で、心拍数を表す機械が不規則にピコンピコンと音を鳴らすだけだった。

父さんに頼んで色々調べてもらったけど、結果はわからないの一点張りだった。


そしてその時はやってきた。

今まで不規則になっていた音がピーッという音に変わった。
そしてその2秒後に臨也が病室に駆け込んできた。

臨也は静雄の最期を看取れなかった。

それから数日臨也は学校を無断欠席した。

数日後にはいつもと変わらないヘラヘラした笑顔と減らず口を叩いて登校してきた。

無理をしているのでは?と思い聞いてみたが、なんのこと?と言う。ショック性の記憶喪失かと思ったけど、きちんと静雄が死んだときの記憶がある。

静かな部屋に鳴り響くピーッという無情な音と白い顔をした静雄の顔と絶望に脱力した臨也自信の感情も。すべてきちんと持ち合わせていた。

だからこそ、今回の事に吐き気と恐怖を覚えたんだ…。

今の臨也はアレが正常なんだ。
歪んでいる、否、狂っている。
俗にいう"カニバリズム"

俺は恐怖を抱き、そのまま保健室に向かった。







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