臨也×静雄

□ひとつになろうか
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※来神時代
※臨也病んでる





「…臨也 もう平気なの?」

「んー? 何がー?」

臨也はいつも通り弁当の蓋を開けた。

いや、いつも通りというのは少し違うかな、いつもは購買で適当に買ってたからね

"あの日"以来臨也は弁当だね、そんな事を言ってみれば、それが何か?と唐揚げを口に含みながら言う。行儀が悪い。

「別にー 弁当で昼飯食べたいだけだけど」

「ふーん…そうなんだ」

自分もセルティ手作りの味がごでごでの弁当を頬張る。

うん、今日も野菜炒めが滅茶苦茶甘い。砂糖と塩を間違えるなんて可愛いよセルティ…!

ざく切りの極甘野菜をしっかり噛みしめていると、臨也は突然ポケットから小瓶を取りだし、それを何もかかっていない白米へと振りかける。

「ふりかけ?」

「ううん シズちゃん」

かかった粉末はふりかけ独特の着色料の色ではなく白かった。

「…………は?」

「だから…シズちゃんだってば!」

「ちょちょちょ…ちょっと待ってよ臨也…!静雄は5日前に…!」

「うん それで?」

「まさか…」

「うん シズちゃんの骨だよ?」

「…………!!!」

そういうと、さも当然とその白米を美味しそうに頬張る、次に唐揚げ。まさか…その唐揚げも…

「うん これはシズちゃんの肉体の一部だよ うんとね 今日は太股かな」

激痛のようなねっとりとした吐き気がした。

胃を刺激し、食道を逆流してくる胃酸と先程食べた野菜炒めの気配を察知した。

新羅? と臨也の声が背中にかかるのを気にせずトイレへ駆け込んだ。





「ごちそうさま〜」

トイレから重い足取りで帰れば臨也は酷く上機嫌で、微笑みのまま両手を合わせ、頭を深々と下げている。

事情をしらなければとても行儀が良く見えるが、その真意を知ってしまった今、それは恐怖でしかない。

「美味しかったよ…シズちゃん」

恍惚とした笑みを浮かべ、席を立つとこちらに寄ってきた。

「それじゃあ俺は屋上に行くから」

「…午後の授業は…?」

「うん 勿論サボるよ じゃあよろしくね新羅〜」

ヒラヒラと手を降りながら教室を去って行く臨也の背中を見つめ、再び吐き気がした。

歪んでいると吐き捨てるように呟いた。




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