臨也×静雄
□命がけなツンデレ!
1ページ/4ページ
「やぁ シズちゃん」
「…………っ!(ブチッ)」
何かこめかみから切れる音がしたよ、シズちゃん。
新羅に診てもらった方がいいんじゃない?
そこの血管ボロボロなんじゃ…?
そういえばシズちゃんの回復力すごいんだっけ?
切れた瞬間治るとか?すごいね。
そんなことを思っているうちに俺の後ろにあった壁は粉々に砕けていた。
「ダメだよシズちゃん… そんな簡単に公共物や建物壊したら 何?ゴ○ラ的な感じなの?ゴ○ラに憧れてるの?」
「うるせぇ!ノミ蟲! 二度と池袋には来るなっつったろぉ?」
「えー 俺、今日は(趣味という名の)仕事で来てんだよー? 池袋の人間も俺に頼らざるおえない奴らがいっぱいって事さ」
「ならその仕事とやらもできない身体にしてやるよ」
「え!? なにそれ、セクハラぁ? シズちゃんてそーゆー趣味あったのー?」
ふざけ半分で言ったこのセリフ、後に後悔した…とかそーゆーノリにはならず、再びシズちゃんのこめかみからブチりと鈍い音が聞こえた。
「いぃぃざぁぁぁやぁぁぁ!!!!!!」
凄みのある低い声で叫ぶ、あぁ、いつもと変わらないねこれだから単細胞は…
「今日はシズちゃんに会いにきたんだよ?」
「あぁ? …なるほどやっと殺される覚悟ができたのか誉めてやろう というわけで死ね」
シズちゃんはすぐさま手近にあった進入禁止の標識を引っこ抜いてフルスイングしてきた。
間一髪で避けて袖口からナイフを取り出しシズちゃんの胸元に素早く入り込み素早く切り裂いた。
切ったところからナイフの銀とシズちゃんの少量の血液がきれいな線を作った。
すぐに傷が塞がったみたいでそこはカサブタみたいになってすぐに肌に戻った。
やれやれ、その回復力を少しわけてほしいね、ますます化物じみちゃってさ。
「ははっ すごいねシズちゃん! 切ったらすぐに回復したよ!? 新羅が「大事なメスを何本もイカされた」って喚いてたけど本当みたいだね!」
「うるせぇ! とっとと死ねやあ!」
シズちゃんが標識を投げてきた、それを避けるバランスを崩してしまった。
「ヤバっ……」
「腹がガラ空きだぜ?臨也くんよぉ」
「………っ!」
ヤバイ、そう思った瞬間、俺はひとつのセリフが咄嗟にでた。
「 」
「……っ!?」
消えるような声だったけど、どうやらシズちゃんの聴力で聞こえたみたい、よかった。
シズちゃんも一瞬油断したみたいで、腹を殴ってきた力がいつもより弱かった。
あぁ、でも常人のそれに比べれば強いよ?
俺は薄れゆく意識の中、シズちゃんのなんとも言えない顔を最後に俺は意識を手放した。