その他


□愛しいのは貴方だけ
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「ねぇ 四木さん ヤろう?」




ベッドの上で、しかもブカブカなワイシャツ一枚の姿でそんな風に言えば、やることなんて一つ。


でも、四木さんはベッドの横にある丸イスに座りタバコを吸っているだけだった。


「ねえ 四木さんてば」

「臨也」


ぷつり。
低い声で名前を呼ばれ一瞬期待するが、その声色の中に性欲は感じられなく、どっちかといえばイラつきが交えてあった。


「お前は誰にもそうやって誘うのか」

「…………」


まだ長いタバコの火を消しこちらに改めて向き直る。
四木さんの瞳が俺を捕らえて放さない。
俺は動けなくて、でも少し目を見張る。


「誰にも って?」


惚(とぼ)けたふりをしてみても四木さんには通用しない事なんてわかってる。
でも、反発したくなる。


「お前さんが色んなヤツを誘ってることなんて解ってるんだよ」

「…………」


軽蔑ではなく心配と言ったような声色で話しかけてくる四木さん。
でも俺はそれを裏返して


「誘えば皆ついてくるんだもん 貴方の部下も 俺のお得意様も」


にこり。
無邪気に笑ってみせると四木さんは明らかに怒りを交え睨んできた。
俺何か悪い事したかな。


「巫山戯るなよ 臨也」


立ち上がりベッドに膝を着き、ゆっくりと近づいてくる。

「……四木さん?」


目の前まで来た四木さんに声をかけた瞬間、押し倒された。
でも、それは性欲からではなく、母親が迷子の我が子を叱る時に見せるような心配した怒りからだった。


「臨也」

「……なぁに?」


挑発するように微笑めば、キスされた。
打たれたり、蹴られたりするかと思ってたから、予想外のキスに油断していた。
でもそれは優しくて、こちらの心が痛むようで、悲しくて、何も言えなくなって、どんな顔してるかわからないから顔を見られたくなくて首に腕を回し更に深くキスをする。




永い時間だったのか、短い時間ただったのかわからないけど、唇は離された。
俺が首を確保してるからあまり身体も離れなかった。ていうか今はまだ離したくない。


「四木さん」

「臨也」


少し熱の籠った声で名前を呼ぶと、四木さんも名前を呼んでくれた。


「大丈夫ですよ 俺、四木さんじゃなきゃ感じませんもん」


ふわり。
これは本当、それを今改めて実感して嬉しくて、つい心の底から微笑んでしまった。
でも、四木さんも嬉しそうにわずかに微笑むと、前触れもなく先程の誘いを受け入れてくれた。





















***
今回はエロなし。
今さらだが恥ずかしい←

四臨四 ですかぬ。わかんね←

トカレフと少女 を聞いていたらパッと書きたくなった。
臨也がビッチだけど気にするな。
気にしたら負けです。

うふふ。


20100825.

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