その他
□俺だけを見て
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サイケデリック臨也
数日前から家にやってきた俺そっくりのアンドロイド。
白を基本としたコートにピンクのヘッドホンと音楽再生機。
肌の色は病気?と思うほど白い。俺より白い。
コイツは俺の事をマスターと呼ぶ、俺はコイツをサイケと呼ぶ。
サイケはいつも俺が行くとこ行くとこついて来たがる。
しかし見ろ、白いコートにピンクのヘッドホン、目立ち過ぎる。
こんな目立ちやすいヤツを連れて隠密な行動ができるわけがない。
という理由でいつも波江に任せ家を出る。しかし、帰宅すると無邪気な笑顔で「おかえりマスター!」と言う、少しばかり罪悪感。
ソファーに身を投げ出すように座れば、その隣にちょこんと座ってくるサイケ。
「マスター!今日はどこ行ってたの?」
「んー 池袋 というか波江は帰っちゃったんだね」
「うん、俺が留守できるって言ったら じゃあよろしくって帰っちゃった」
「ふーん 上司の命令を無視するか…ひどいヤツだ… じゃあお仕置きだねぇ ねぇ君もそう思うだろ サイケ…?」
そう言いつつサイケを見ると何とも訝しげな顔をしている。
「……サイケ?調子悪い?」
「………………る」
「ん?」
いつももっとハキハキと元気なのに落ち込んだ様子のサイケ、なんだろう 今日の分のインストールは済ませたはずだけど………。
「………がする」
「何? はっきり言ってよ」
「シズくんの匂いがする」
「えっ……」
「コートからも髪からも…」
「え、何々?俺がシズちゃんと遊んでたとでも言いたいの?」
「何で焦ってるの?」
にこり、いつもの笑顔を見せたサイケ、しかしその笑顔が一段と暗く見えた、いや黒くかな?、そんな呑気な事を考えていたらいつの間にか天井をバックにしたサイケの顔。
つまり押し倒された。
「…サイ…ケ…?」
「マスターはシズくんと遊ぶの大好きだよね」
「いやいやナイナイ 知ってるでしょ俺とシズちゃんが犬猿の仲だって」
「嘘だってことも知ってるよ」
「…ッ」
「表面上では犬猿の仲 でもそれも皮を剥げば恋人同士」
「………」
まだ誰にも言った覚えのないことを知っているサイケ。
なんだろう、怖い。このサイケはなんだか怒っている。怖い怖い……。
「俺…怒ってる」
「うん…それはわかるよ…けど何で」
そう言うと馬乗りの状態から首に手をかけ、クッと力が込められた。
「……かっ……!?」
「何でとか聞くの…マスター」
「……あっ…がっ…」
ヤバイ、これは死ぬかもしれない、本気で呼吸が苦しくなる。
目がイく。するとサイケは手を離した。
「かはっ…げほ…っ」
酸素を急いで取り込む、喉が張り付いてたから咳で気道を確保する。
「…っサ…サイケ…っ」
「マスターはひどい人だ ひどい人にはお仕置きだよね…」
そう言いつつ儚げに微笑んだサイケ。
それと同時に服を脱がされた。