飼育日記


□04
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今朝、帝人の様子が可笑しかった。

登校してきて鞄を開け、中身を見て脊髄反射で鞄を閉め、早退すると告げ、鞄を殴りながら本当に早退した。

杏里と二人で昼飯食って、そのままグダグダと午後の授業を聞き流して、放課後にメールで大丈夫か?どうした? と聞けば 何でもない と絵文字も改行もなしに返ってきたから杏里に言って帝人のアパートに向かうことにした。

向かう途中、杏里がアポも無しに行っても平気なのかと言っていたが帝人の事だ、俺だけならなんとか言ってきそうだが杏里を連れていけばもう余裕のオーケーだろう、うん。

そんな事言っているうちに帝人のアパートについた。ボロっちい階段をカンカン鳴らしながら登り、インターホンを押す、ピンポーンとありがちな音が響く。

バタバタという暴れる音と帝人の声じゃない二つの声が聞こえて、杏里と頭に?を浮かべて待っていると…。

「はーいっ」

という息絶え絶えの声と共に扉に開いた。

「よっ 帝人っ」
「帝人くんこんにちは」
「正臣?! に、園原さん!?」

帝人は一度驚くと、もう一度部屋の中を見渡し、安心したように溜め息を吐き

「…何の用?」

と言った、杏里が何か言おうとしたのを遮り

「ほい 今日の課題のプリント ていうかまた制服なのかよ」

「え あ…うん、着替え忘れてて…」

「そっかぁ」

とりあえず課題のプリントの束を手渡すとありがとうと言い扉を閉めようとしたので爪先を隙間にねじ込んだ。

「ま、正臣?」

「なーあー 帝人ー 茶くらい出せよなー」

にこー、と黒めの笑みを浮かべて見せると帝人は え と呆然と言ったような声を発し、もう一度部屋の中を確認する。

「だだだダメ! 今日は本当にダメだから…!」

帝人にしてははっきりとした否定をされ、内心ちょっと傷ついた。

「んーだよ エロDVDでもあんのかー?」
「なっ…!? ち、違うよ!大体そんなの見ないし…!」

顔を真っ赤にして否定する、なんだこいつかわいいな、からかっただけなのに。
余談だがエロDVDと言った瞬間、杏里も帝人以上に頬を染め上げて視線を伏せてた、お前ら揃いも揃って可愛いな、お似合いじゃねぇか。

「と 兎に角今日っていうかしばらくウチに来ないでくれる…?」

帝人は部屋の中を確認しながらこちらに話しかける、おいおい、人の顔くらい見ろよなー

帝人は結構真面目に焦ってたりしたから引き上げることにした、帝人はごめんといい俺と杏里も別にいいよと言った。

そして帰宅するべく踵を返せばすぐに扉は閉まり中から帝人の説教みたいな声が聞こえた。

何、あいつあんなに独り言言うようなヤツだっけ、それとも中に誰かいんの?

そう思ったが、深く追求する気にもなれなかったのでその日は大人しく帰宅した。






可笑しなヤツ…

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