りくえすとときかく

□次は何が欲しい?
1ページ/1ページ






「臨也お兄ちゃん」


粟楠会が存在するビルの廊下、突然背後から声をかけられた。
この呼び方をするのを俺は一人しかいない。

振り返ってその少女の名を呼べばいいもの俺は振り返らずに少女の名を呼んだ。


「なんだ 茜ちゃんか」


振り返らず、というよりは振り返ってはならない気がした。
背中に固く冷たい塊の存在を感じてしまったから。

これは多分シズちゃん撃退ように彼女に渡した改造スタンガン。
でも、どっかから聞いたけど新羅が少しばかりいじったとか…。

でも、例え殺人の威力がなくても俺はシズちゃんと違い一般人、なんのへんてつもない単なる常人。

さすがにこの近距離、密着した状態じゃ気絶くらいはするかな…。


「うん!久しぶり!」


明るい声が背後から聞こえる。
にこにこと純粋無垢な少女の笑う姿が目に浮かぶ。


「久しぶりだね 茜ちゃん」


やっと発した声が震える。
なんてこった、この俺が中学生にも満たない少女に怯えるなんてね。


「ねぇ お兄ちゃん」

「ん? 何?」

「一緒に遊ぼうよ」


遊ぼうよ、そう言うと同時に背中の気配がなくなる。
安心し、振り返ってみる。

そこには粟楠茜がにんまり笑っており、その背後で四木さんがこちらを見つめていた。

あぁ、遊ぶってそういう事かな?


「四木さ…」

「ま そんな怖い顔せずに」

「そうだよお兄ちゃん! みんなで遊ぼ!?」

「スタンガンは仕舞いなさい お嬢 …こんな幼子にこんなものを渡すなんて…」


あぁ、この目だ。
四木さんのこの目、昔一度見たことがある。
大事な仕事でミスしたとき、四木さんはこの目で俺を圧した。


これは怒っているわけじゃないんだ。




――そう、愉しんでる目――




そして、今もまたその目…



「折原さん 次は何が欲しいですか?」



四木さんは見たことないくらいとびきりの笑顔で俺を見つめた。














____
あとがき。

企画『劣情と誘惑』様に提出!

初の企画参加でドキドキでした…!あわわ…;

取り敢えず補足ですね、
一言、遊び=お仕置きです
あと、何が欲しい=お仕置きの内容です。

お仕置きの内容を臨也に決めさせる四木さんマジ鬼畜←
茜ちゃんはお仕置き中臨也を「臨也お兄ちゃん楽しそー!」ってエンジェルスマイルで見てたら可愛いよね←
四木さんが臨也にお仕置きしたいだけ、みたいになってしまった…

ほんと色々と申し訳ないです…
でも、ここまで読んでくださってありがとうございましたー!




2010.10.04.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ