novel2
□花嫁脱走事件
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慎ましやかなベールは、捲れ顔を露わにし、手に持ってたブーケは逃げている最中にどこかへ落としてきてしまった。
でも、なんて清々しいのだろう。
幾重にも重なったドレスの裾を揺らし、白い折れそうなヒールは、カンカンと軽快な音を鳴らしている。
イタリアのマフィアよろしく。
黒尽くめの男達が、か弱い(自称)花嫁を追いかけさっきから軍団が血相を抱えて押し寄せてきている。
なんて、スリリング。
こんな、厳つい男達じゃなくて早く私を捕まえてくれないかしら?