Novel

□Call me
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「おいっ。」「おまえ。」 いつも、そればかり。 私が、いつも君の事をちゃんと呼んでも君は、私の事をちゃんと呼んでくれない。 『私は、おいっでもおまえでもないのに…。』

「…ねぇ、私の名前をちゃんと呼んでよ。」
つい、強い口調でそんな事を言ってしまった。
君は、困ったように首をかしげながら
「…いきなり、どうしたんだ、おまえ?」
と私の頭にぽんっと手を乗せて、私の目を見る。
その、行動も嫌で私はそっぽを向いてその手をなぎ払う。
心配してくれているのはわかるのだが、今の私にとっては逆効果だ。
私は、そうして欲しいんじゃなくて、ただ名前を呼んでもらいたいだけなのに…。

『…ねぇ、私の事をちゃんと呼んで?』

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